ロシアは“蚊帳の外”を警戒 6カ国協議再開狙う

米朝首脳会談

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアは北朝鮮の核保有を認めない立場である半面、この問題の協議が米国や中国、韓国の主導で進み、“蚊帳の外”となるのを警戒している。米朝首脳会談を朝鮮半島情勢の正常化に向けた「長期的プロセスの始まり」と位置づけ、ロシアや日本も参加する6カ国協議の再開をめざす方針だ。プーチン露大統領は金正恩朝鮮労働党委員長の訪露を招請しており、駆け引きを活発化させるとみられる。

 トランプ米大統領が北朝鮮に「安全の保証」を、金委員長が「朝鮮半島の非核化」を約束した米朝会談について、露政界や専門家はおおむね「想定通り」と評価している。プーチン政権は、北朝鮮問題を在韓米軍の縮小など米国抑止につなげたい考えで、米朝の共同声明で「朝鮮半島の非核化」がうたわれた点には満足しているとみられる。

 プーチン露政権は、「安全の保証」や「非核化」を多国間の枠組みで裏打ちすべきだと主張しており、2008年に中断した6カ国協議の再開を関係国に働きかけている。ラブロフ露外相は5月31日の訪朝で、訪露の招請に対する金委員長の同意を取り付けた。10月には旧ソ連と北朝鮮の外交関係樹立70年を迎えることもとらえ、ロシアは北朝鮮をめぐる出遅れ感を払拭したい考えだ。

 ロシアは核燃料製造から使用済み燃料の処理まで、原子力産業の「上流から下流まで」を擁している。北朝鮮からの核弾頭やミサイルの搬出・廃棄、同国への原子力協力を請け負うといった関与も考えられる。