【南北首脳会談】北朝鮮、標準時を韓国と同一に…5月5日に変更 韓国は拡声器宣伝中止 - 産経ニュース

【南北首脳会談】北朝鮮、標準時を韓国と同一に…5月5日に変更 韓国は拡声器宣伝中止

南北首脳会談が行われた板門店の韓国側施設「平和の家」に掲げられていたソウル(左)と平壌の時刻を知らせる時計=27日(聯合=共同)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=27日、板門店(韓国共同写真記者団・共同)
 【ソウル=名村隆寛】南北首脳会談での合意を受け、北朝鮮の最高人民会議(国会に相当)常任委員会は30日、標準時を5月5日から30分早め、変更した2015年以前の韓国と同じ時間(日本時間同)に戻す政令を採択した。韓国側も、軍事境界線付近に設置している北朝鮮向けの政治宣伝放送を流す拡声器を1日から撤去する。
 北朝鮮の標準時変更は、金正恩朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅大統領に提案し合意したもの。政令採択を報じた朝鮮中央通信など北朝鮮メディアによれば、金正恩氏が「平壌時間とソウル時間を指す時計が会談場に別々に掛けられたのを目にし胸が痛んだ」と述べ、「民族和解の最初の実行措置」として「標準時の統一」を提案したという。
 また韓国国防省によると拡声器撤去は南北首脳会談で発表された板門店宣言の「順守の一環」。同宣言では「相手に対する一切の敵対行為を全面的に中止し、5月1日から宣伝放送やビラ散布などをやめる」と合意している。韓国側は首脳会談前の4月23日に宣伝放送の中断を発表、北朝鮮側も放送を中断していた。
 ただ、韓国統一省報道官が30日、明らかにしたところでは、2016年2月に閉鎖された南北経済協力事業の開城工業団地や、08年以降、中断状態の金剛山観光事業の再開は首脳会談で議論されなかったという。
 一方、南北首脳会談では金正恩氏と文氏が30分以上にわたり屋外を散策し、2人だけで対話したが、会談場の「平和の家」に戻った後も2人の会談は続いたという。韓国側随行員を務めた趙明均統一相が30日、ラジオのインタビューで明らかにした。
 趙氏によると、2人は平和の家で10分以上、話し込み、予定より長かったという。趙氏は「同席者なしで話すのはかつては想像もできなかったことだ」と驚きを隠さなかった。
 金正恩氏について趙氏は「後の交渉にカードとして利用するような計算や駆け引きはなく、やるべきことはやるという意思を見せた。同時にきちょうめんさもうかがえた」と評価した。