北メディアも「完全な非核化」文言含む板門店宣言全文掲載 国内環境整ったと判断か

南北首脳会談
南北首脳会談を報じる韓国紙=28日、ソウル(共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は28日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が前日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南北軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で会談し、署名した「板門店宣言」の全文を報道した。韓国政府の発表と同じく「完全な非核化」という文言も明記された。

 北朝鮮メディアは、金委員長が3月に韓国や米国に「非核化の意思」を表明後、南北や米朝対話を伝えても非核化には一切、触れてこなかった。文氏との今回の会談を通じて国内向けにも説明する環境が整ったと判断したもようだ。

 同通信が報じた宣言全文には「南北は完全な非核化を通して、核のない朝鮮半島を実現するという共通目標を確認した」という非核化に関する部分が韓国政府の発表通り記載された。

 朝鮮半島の非核化に向けて、南北が「責任と役割を果たす」ことで合意したという内容も盛り込まれている。

 27日の首脳会談を扱った別の記事では、板門店宣言について「北南(南北)関係の画期的な発展を成し遂げることで、共同繁栄と自主統一の未来を速める上で転換的な意義を持つ新たな道標となる」と評価した。

 朝鮮中央通信は27日に「民族分断史上初めて」板門店の韓国側施設で開かれる首脳会談に出席するため、金委員長が同日未明に平壌を出発したことを報じていたが、27日中はその後の動きを報じていなかった。

 一方、28日付韓国紙は、東亜日報が1面に「『完全な非核化』の扉を開く」との見出しを掲げるなど、そろって会談の結果を大々的に報道。左派系紙、ハンギョレは、1面と最終面を見開き、文氏と金委員長が手をつないで軍事境界線を越える写真1枚だけを大きく掲載する異例の紙面展開をした。