慰安婦問題「日本が『終わった』と言ってはならない。反人倫的犯罪」 文在寅大統領、独立運動式典で演説 「日本に特別な要求はしない」とも

歴史戦
1日、ソウルの西大門刑務所歴史館で開かれた「3・1独立運動」を記念する政府式典で演説する文在寅大統領(聯合=共同)

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、日本による朝鮮半島統治下の1919年に起きた「3・1独立運動」の記念式典で演説。慰安婦問題は解決していないとの立場を強調する一方で、日本に対して特別な要求をしない姿勢を示した。

 演説で文氏は、竹島問題に先に触れ「独島(トクト)は日本の朝鮮半島侵奪で最初に強制的に占領された地であり、われわれ固有の領土だ」と指摘。「今、日本がこの事実を否定していることは、帝国主義の侵略に対する反省を拒否していることにほかならない」と訴えた。

 また、文氏は「慰安婦問題解決についても、加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない。戦時の反人倫的な人権犯罪行為は終わったとという言葉で覆い隠せない」と強調。「不幸な歴史であるほど、その歴史を記憶し、歴史から学ぶことだけが、真の解決である」と述べた。

 一方で、文氏は慰安婦問題の解決に向けて「日本には特別な対応を要求しない」とも言明。「最も近い隣国らしく、真の反省と和解もために、共に未来に向かって行きたい」とし、未来志向的な日韓関係を志向する考えを示した。

 文在寅政権下での同式典が行われたのは初めてで、今年はソウル市内の旧西大門(ソデムン)刑務所の歴史記念館で初めて行われた。西大門刑務所は日本統治時代に独立活動家らが収監された場所でもあり、朝鮮半島の日本統治時代を最も象徴する場所として認識されている。

 この日の式典は、李明博(イ・ミョンバク)政権の2010年に中部・天安市の独立記念館で実施されて以来8年ぶりに屋外で開催された。式典には独立活動家の子孫を含む市民や、韓国駐在の外交官ら大勢が出席した。

 韓国政府は、文在寅政権で最初のこの記念日を、「国民が参加し共感できる行事にする」としており、首都ソウルをはじめ、全国各地で独立運動をたたえる行事が行われた。