国連人権理事会で韓国外相、日韓合意言及 「元慰安婦尊厳回復へ手段」

歴史戦
26日、ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説する韓国の康京和外相(共同)

 【ジュネーブ=三井美奈】韓国の康京和(カンギョンファ)外相は26日、国連人権理事会のハイレベル会合で演説し、2015年の日韓合意は元慰安婦救済に十分ではないと指摘し、「政府は被害者の傷を癒やし、尊厳回復のための手段をとる」と述べた。

 日韓合意は慰安婦問題について、国連や国際社会で「互いに非難・批判は控える」と定めたが、康外相は国連の場で再び喚起。「以前(の政権)は被害者中心の取り組みを欠いた」として、文在寅(ムンジェイン)政権では異なる姿勢をとると強調した。「戦時中の性暴力について、われわれは慰安婦問題など過去から学ばねばならない。生存する被害者は尊厳回復を切望している」と訴えた。

 一方、康外相は「性奴隷」の表現は避けた。韓国の鄭鉉栢(チョンヒョンベク)女性家族相は22日、国連の女子差別撤廃委員会で、慰安婦問題で「性奴隷」と発言し、日本政府が「極めて遺憾」と抗議していた。

 康外相はまた、北朝鮮側に対し、南北離散家族再会事業の復活に向けた対話を呼びかけると述べた。25日に閉幕した平昌五輪は「朝鮮半島の平和と繁栄のメッセージを発信した。朝鮮半島に平和を根付かせることができる」と強調。平昌五輪を機に、家族再会事業を人道問題と位置づけ、南北融和の突破口としたい文政権の姿勢を鮮明にした。

 家族再会事業については1月の南北閣僚級会談で韓国側が赤十字会談を提案したが、北朝鮮は応じず、交渉は決裂した。家族再会事業は15年を最後に途絶えていた。

 康外相は韓国やほかの国の民間人の拉致問題解決を北朝鮮に要求。国際社会の要求を受け入れ、核開発計画を放棄するよう求めた。