露疑惑捜査でモラー氏解任指示? 米メディア報道 トランプ氏は否定

ロシアゲート疑惑
米国のモラー特別検察官(AP)

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領が、ロシアの米大統領選干渉疑惑を捜査するモラー特別検察官の解任を指示したとの米メディア報道があり、与野党が真相の究明を求めている。トランプ氏は指示を否定したが、与党・共和党でもベテランのグラム上院議員らが28日、モラー氏の地位を守るための立法措置の必要性に言及し、捜査の中立性を守ろうとする動きが強まっている。

 米紙ニューヨーク・タイムズが25日に報じたところでは、トランプ氏は昨年6月、ホワイトハウスのマクガーン法律顧問にモラー氏の解任を指示した。モラー氏にトランプ氏の経営するゴルフ場の会費をめぐるトラブルがあったことや、トランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問がかつて顧客だった法律事務所で働いたことなどが「利益相反」に当たるとした。

 トランプ氏は当時、5月にコミー前連邦捜査局(FBI)長官を解任し、ロシア疑惑の捜査を妨害する意図があるとして批判されていた。モラー氏はコミー氏解任を受けて同月、任命されたばかりだっただけに、マクガーン氏は辞意を示して、トランプ氏のモラー氏解任に強く反発し、トランプ氏が翻意した。

 同紙の報道に対し、トランプ氏は「ニューヨーク・タイムズの典型的なフェイク(偽)ニュースだ」と述べ、完全に否定した。

 しかし、トランプ氏がコミー氏に続いてモラー氏の解任を求めたことが事実なら政権への打撃は大きく、ロシア疑惑で焦点の「司法妨害」は大統領弾劾手続きの要件となりうる。

 野党・民主党は真相究明を求めており、共和党ベテランのグラム、コリンズ両上院議員は28日に出演したテレビ番組で、モラー氏に対して自らの解任について調べるよう求めた。

 グラム氏はABCテレビの番組で「ホワイトハウスの誰もが、モラー氏の解任でトランプ氏の大統領職が終わりになりうると分かっていることははっきりしている」と指摘するとともに、モラー氏の解任を難しくするための法案を超党派で速やかに可決させる必要があると強調した。