条件で難航する交渉後押し EUが準備作業着手へ、19日から首脳会議

英EU離脱
メイ英首相(AP)

 【ベルリン=宮下日出男、ロンドン=岡部伸】欧州連合(EU)の首脳会議が19日、ブリュッセルで開幕する。2日間の日程。英国のEU離脱問題では、英以外の27加盟国が貿易など将来関係に関する協議入りに向け、EU内の準備作業を開始することで合意する見通し。離脱条件をめぐって難航する交渉を後押しする狙いだ。

 離脱交渉では当初、今回の首脳会議で将来協議の開始決定が目指されていた。だが、6月以降5回の交渉会合では、交渉の「第1段階」である離脱条件で必要な「十分な進展」を得られず、決定は持ち越される。

 欧州メディアが報じた声明草案によると、27カ国首脳は12月の首脳会議で協議の進捗状況を再評価する意向を表明。この際に将来協議開始で合意できれば、即時に新たな交渉指針の採択などができるよう準備に着手するよう求める方針だ。

 離脱交渉の期限は2019年3月末。EU側は交渉時間を無駄にしないため、態勢を整える考え。同時に移行期間を含め早期に将来協議を始めたいメイ英首相に対し、前向きなメッセージを送り、歩み寄り姿勢も示す狙いがある。

 27カ国首脳は20日に英離脱問題を集中議論する。メイ氏は19日の夕食会で英側の立場を説明する予定。

 メイ氏は同日、離脱条件の主要3論点のうち在英EU市民の権利保護について「離脱後も英国での在留資格を可能な限り得やすくする」と公開書簡で発表し、交渉進展も図る。権利保護ではメイ氏が「今後数週間で合意を得られる」とし、EU内でも「多くの進展を遂げた」(独政府高官)との声が上がる。英アイルランド国境問題でも進展はみられる。

 最大の焦点となるのは、英国の未払い分担金問題。加盟国として約束した「義務」を果たすとするメイ氏に対し、EUは義務の範囲の具体化を要求。EUのトゥスク大統領は18日、「12月に第1段階での合意は可能だと確信するが、英側の具体的な提案が必要」と訴えた。ただ、英側は将来関係が不明瞭では特定できないとの立場で、行き詰まりを見せている。