モラー特別検察官、米大統領の「司法妨害」に重大な関心 ジュニア氏、ロシア疑惑の共謀を重ねて否定

ロシアゲート疑惑
ドナルド・トランプ・ジュニア氏(ロイター)

 【ワシントン=加納宏幸】ロシアの米大統領選干渉疑惑を捜査しているモラー特別検察官がトランプ大統領による疑惑捜査への「司法妨害」に関心を強めていることが7日分かった。トランプ氏は今年7月、長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏が昨年6月にロシア人弁護士らと面会した問題で、疑惑を否定するようなコメントを作成することに関与していた。

 ジュニア氏は今年7月、米紙ニューヨーク・タイムズの取材に対して面会は選挙戦に関するものではなかったとコメントした。このコメントの作成にトランプ氏は関与した。

 しかし、ジュニア氏はその後、面会はロシア側から民主党のクリントン元国務長官に「不利になる情報」の提供を持ちかけられて面会したことを認め、露側の仲介人とのやり取りに関するメールを公開した。

 米CNNテレビは7日、トランプ氏がコメント作成に関与した際に同席していたホワイトハウスのスタッフから事情を聴くため、モラー氏側がホワイトハウスに対して面会を求めていると報じた。

 モラー氏は、今年5月にトランプ氏がロシア疑惑捜査を担当していたコミー前連邦捜査局(FBI)長官を解任したことが疑惑捜査への「司法妨害」に当たるかに注目しているとされ、トランプ氏がコメント作成によってロシア疑惑の隠蔽を図ったかに関心を持っているもようだ。

 これに関連し、ジュニア氏は7日、ロシア疑惑を調査している上院司法委員会スタッフによる非公開の事情聴取を受け、ロシア人弁護士らとの面会は民主党のクリントン氏に関する情報を得るためだったと重ねて認めた。大統領選のトランプ陣営とロシア政府の「共謀」も改めて否定した。

 聴取は約5時間に及んだ。ジュニア氏が司法委に対して提出した準備書面によると、同氏はクリントン氏が大統領になる「適性、性格、資格」に関する情報を知るために面会に応じた。しかし、情報は得られなかったとしている。

 AP通信は、ジュニア氏が司法委の聴取に対して、ホワイトハウスによる自らのコメント作成への関与について、「知らない」「覚えていない」などと答えたと報じた。

 米議会の野党・民主党は引き続きロシア疑惑の真相解明を図るため、ジュニア氏に公聴会での証言を求める方針だ。