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マーベル映画の“リアル”な描写を支える科学者、その舞台裏を語る

 スーパーヒーローたちが活躍するマーベル映画。説得力のあるリアルな描写や表現には、実は本物の科学者が提案する「本物の科学」も生かされていた。その“マーベルのご意見番”でもある科学者のクリフォード・ジョンソンに、マーベル映画における科学の役割について訊いた。

TEXT BY TOM WARD

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(UK)

PHOTOGRAPH BY F SCOTT SCHAFER
PHOTOGRAPH BY F SCOTT SCHAFER

南カリフォルニア大学の教授で物理学を研究するクリフォード・ジョンソンは、科学における最も不可解な謎のいくつかを解くべく、日々を過ごしている。量子物理学はわたしたちの時間や空間の理解をどのように変えるのか、ブラックホールの本当の特性は何か、宇宙の起源は何なのか--といった具合だ。

ところが、このところジョンソンは、思案する項目を増やすことになっている。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品が、量子の領域やタイムトラベル、宇宙探査にまで果敢に対象を広げてきたからだ。MCUの制作者たちは、自分たちがつくるスーパーヒーローの物語に科学的なリアリティーを求めるようになっている。ジョンソンは、そんなときに頼りにされる人物だ。

ジョンソンは、これまでに『マイティ・ソー バトルロイヤル』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』、これから公開が予定されている「ミズ・マーベル(原題)」まで、複数のテレビ番組や映画のクレジットに名前を連ねている。MCUに登場する科学や科学者たちの非常に印象に残る描写について、一部をつくり出す作業に協力してきたのだ。

今回はDisney+で3月に配信予定の「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」を控え、MCUのアドバイザーとして活躍するジョンソンに話を訊いた。史上最大の映画フランチャイズにおいて科学を「正しいもの」にする仕事とは、いったいどのようなものなのか。

--マーベルが頼りにする科学アドバイザーには、いったいどうすればなれるのでしょうか? どれだけの知識が求められるのかは別問題として、なのですが。

わたしが関与する内容はプロジェクトごとに異なりますし、マーベルの電話の短縮ダイヤルに登録されている科学者は、決してわたしだけではありません。米国科学アカデミーには、エンターテインメントメディアにおいて科学と科学者をより適切に表現しようとする「科学・エンターテインメント・エクスチェンジ・プログラム」という仕組みがあるのですが、わたしはこのプログラムを通じてMCUに加わりました。

科学を表現しようとする試みにおいて、マーベルは極めて賢明です。わたしはそれを「マーベルの科学」と呼んでいます。本物の科学でないことは明らかですが、現実世界から得られた要素に根ざしていますから。

--関与する内容は、異なる作品であっても一貫性があるのでしょうか?

作品ごとに異なります。わたしが最初にするのは台本を読むことです。そして膨大なメモをとり、わたしにできるすべての点について提案します。マーベル側の求めるものが科学的な専門用語に関してのアドバイスだったり、特定の事物がどのように見える可能性があるか知りたい、といったことだけのときもあります。

例えば『マイティ・ソー バトルロイヤル』では、ワームホールについてアドバイスするために招かれました。そのときは、その向こう側にある天文物理学的な物体の種類によって、ワームホールごとに特性や視覚化が異なることを説明しています。

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