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「空中発射ロケット」が宇宙へ、ヴァージン・オービットの悲願達成が意味すること

 ヴァージン・オービットが、ロケットを空中発射によって地球周回軌道に到達させることに初めて成功した。宇宙基地の場所に縛られずにロケットを打ち上げられる「自由」を強みとする同社は、軌道への到達を実現した数少ない企業の仲間入りを果たしたことになる。しかし、その先には厳しい競争が待ち受けている。

TEXT BY DANIEL OBERHAUS

WIRED(US)

PATRICK T. FALLON/AFP/AFLO
PATRICK T. FALLON/AFP/AFLO

ヴァージン・オービットが1月17日午前(米国時間)、米国の民間ロケット企業として地球周回軌道への到達に成功した3番目の企業となった。しかも、空中発射によってその偉業を成し遂げた唯一の企業にもなったのである。

ヴァージン・オービットの液体燃料ロケット「ランチャーワン」は、カリフォルニア沖上空で同社が改造を施したボーイング747機「コズミック・ガール」の翼の下から発射された。コズミック・ガールの操縦士であるケリー・ラティマーが、ジェット旅客機の典型的な巡航高度である約30,000フィート(約9,000m)でランチャーワンを切り離したのだ。

ランチャーワンは数秒の自由落下を経てエンジンを点火し、宇宙へと飛び出した。そして軌道に到達して地球へと落下する前に、積載していた米航空宇宙局(NASA)や複数の米大学の研究者が開発した10機の小型人工衛星を軌道に投入した。

今回の打ち上げ成功は、2020年春の最初の打ち上げ試験以来、挫折に見舞われてきたヴァージンのチームにとって喜ばしい成果となった。

20年5月の最初の試験飛行は、ロケットが放出されてから数秒後に推進剤の供給経路が破損し、失敗に終わっている。エンジニアが問題を特定して修正したあと、同社は12月に2回目の発射を計画したが、ロサンジェルスの本社周辺で新型コロナウイルスの感染者数が急増したため、延期を決定した。

「わたしたちはチームの安全を確保するために多大な努力を払ってきました。打ち上げにかかわる操作と活動の多くは、バーチャルでおこなわれています」と、ヴァージン・オービットの最高経営責任者(CEO)のダン・ハートは、1月17日の打ち上げに先立って語っている。「パンデミックの最中に打ち上げ実施までこぎつけたのは、驚異的なことです」

10年近くの取り組みの集大成

1月17日の打ち上げは、ヴァージン・オービットのエンジニアによる10年近くの取り組みの集大成となった。

同社は億万長者のリチャード・ブランソンが設立したふたつのロケット企業のひとつだ。2018年にヴァージン・オービットの関連企業であるヴァージン・ギャラクティックが、改造を施した航空機から2人の操縦士を乗せた宇宙船を発射し、宇宙船は宇宙空間とみなされる高度に到達した。つまり、歴史的な偉業を成し遂げたのである。

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