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自律走行車のコンセプトモデルが、どれも「車輪のついたトースター」のようなデザインになる理由

 ハンドルやペダル類のない自律走行車のコンセプトモデルを、自動車メーカーからスタートアップまでさまざまな企業が発表している。だが、その多くはトースターを思わせる箱型だ。この形状には、いったいどんなメリットがあるのか?

TEXT BY AARIAN MARSHALL

TRANSLATION BY CHIHIRO OKA

WIRED(US)

2014年設立のズークスは今年6月にアマゾンに12億ドル(1,240億円)で買収された。PHOTOGRAPH BY ZOOX
2014年設立のズークスは今年6月にアマゾンに12億ドル(1,240億円)で買収された。PHOTOGRAPH BY ZOOX

未来の世界にようこそ。どうぞこちらの“トースター”へ--。

自律走行車の開発を手がけるズークス(Zoox)が、自動運転する電動のロボットタクシーを2020年12月14日に披露した。ズークスはアマゾンに12億ドル(1,240億円)で買収されたことで注目されているが、6年の歳月を費やして開発された同社の車両は、どこかで見たような形をしている。

これまでに自動車メーカーからエンジニアリング会社、配車サービス企業、スタートアップまで、さまざまな企業が自律走行車のコンセプトモデルを発表してきた。そのほとんどすべてが、箱のようなデザインになっている。

これには「形態は機能に従う」という言葉が当てはまるのだろう。業界の専門家はかなり前から、公道を走る最初の完全な自律走行車はライドシェア向けの電気自動車(EV)になると予想してきた。つまり、複数の乗客を乗せて都市を走り回るわけで、ハンドルやペダル類がいらないので車内空間は広くなる。

ズークスの共同創業者で最高技術責任者(CTO)のジェッセ・レビンソンは自社のロボットタクシーのデザインについて、「車内を最大限に広くすると同時に、車体をなるべく小型化すると決めていました」と説明している。

前後どちらにも自動走行

ズークスは将来的に、この車両をサンフランシスコやラスベガスなどで運用していく計画だ。ミントグリーンのEVは前後どちらにも進むことができ、回転半径が小さいので小回りが利く。1回の充電で最大16時間の走行が可能で、最高速度は時速75マイル(同約120.7km)と、箱のような形の乗り物としてはかなり速い。

具体的な運用開始時期は明らかにされておらず、レビンソンは現時点ではまだ自動運転ソフトウェアの改良を続けていると語る。なお、同社は2017年からトヨタのSUV「ハイランダー(日本名:クルーガー)」を使ってサンフランシスコで自動運転ソフトウェアの開発を続けている。

公道走行の開始が遅れていることから、まずは配送車としての利用も検討されているようだ。仮にロボットタクシーが安全面で不安であると判断して、本来は左折すべき交差点で右折して回り道になっても、相手が荷物なら人間とは違って文句は言わないだろう。

箱型のクルマなら、人間でも荷物でもうまく納まるので問題はないはずだ。それでもズークスは、アマゾンによる買収後も人員輸送に注力していく方針に変わりはないと説明している。一方でレビンソンは、「わたしたちのプラットフォームではさまざまなことができます」とも発言している。

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