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月面に存在する「水」の量は、想定よりはるかに多い? ふたつの研究結果から見えた大いなる可能性

 月面にはこれまで考えられていたよりも、はるかに多くの「水」が存在しているかもしれない--。そんな大きな可能性を示唆するふたつの研究結果が、このほど公表された。今後の探査によって水の存在が確実になれば、将来的な月面での長期滞在への道を開く可能性がある。

TEXT BY DANIEL OBERHAUS

TRANSLATION BY TOMOYO YANAGAWA/TRANNET

WIRED(US)

PHOTOGRAPH BY JOEL KOWSKY/NASA
PHOTOGRAPH BY JOEL KOWSKY/NASA

米航空宇宙局(NASA)は2024年、50年以上ぶりに月面に真新しい足跡を付けに行く計画を立てている。アポロ計画では宇宙飛行士たちの月面滞在期間はほんの数日にすぎなかったが、今回のミッションはクルーが長期的に月面にとどまれるようにすることが目標だ。

月で人類が持続的に滞在できるようにするには、月面で自給自足する方法を見つける必要がある。大気がなく過酷な月面環境を考えると、かなり難しい課題だ。そこで宇宙飛行士たちのために、NASAは月の土で居住シェルターをつくり、肥料として尿を利用しようと計画している。しかし、そのために月面でどれだけの水が必要になるかは、まったく予測がつかない。

水は月探査クルーの生命維持のためだけでなく、水素と酸素に分解してロケットの燃料をつくるために必要になる。そのために必要になる大量の水氷が月の極域に存在することを、NASAは何年も前から把握していた。

問題になるのは、極域で検出された水氷の多くが大きなクレーターの底にあるということである。そうした場所は温度が極端に低く、地形も険しいうえに太陽光が当たらないことから、水氷の捜索と採取の任を担うロボット探査機にさまざまな問題が生じてしまう。

ところが、英科学誌『Nature Astronomy』に9月26日付で掲載されたふたつの論文により、月には従来考えられていたよりもはるかに多くの水が存在する可能性が高いことが明らかになった。また、その分布は月の南極に広範囲に広がる永久影(常に太陽光が当たらない領域)の中だけに限らないと判明したのである。

太陽光が当たる部分にも水が存在

NASAゴダード宇宙飛行センターの博士研究員であるケーシー・ホニボール率いる研究チームは2018年の後半、ジャンボジェットの愛称で知られたボーイング747型機をNASAが改造してつくった天文台を使って月面の水を探索した。「空飛ぶ天文台」とも呼ばれる遠赤外線天文学成層圏天文台「SOFIA(Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy)」には、水の存在が検知可能な赤外線の波長域を用いて月面を遠隔から調査するための特殊な観測装置が搭載されている。

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