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ガソリン車の新車販売禁止を打ち出したカリフォルニア州、その実現に向けて見えてきた「大きな課題」

さまざまなハードル

現状では、高額な販売価格、充電インフラの不足、航続距離に対する不安、そして単純な知識の欠如により、米国のドライバーはEVの検討に二の足を踏んでいる。自動車関連の情報サービスのケリー・ブルー・ブックによると、20年7月の時点でEVは平均46,119ドル(約486万円)で販売されており、全車両の平均38,378ドル(約405万円)より20パーセント高い。

一方で、テスラなどの企業はバッテリー技術の進歩を約束している。これによって所有コストが押し下げられ、再充電までに走れる距離が伸びる可能性がある。さらに米国では毎年、EVの新型モデルが次々に投入されている。

それでもなお、カリフォルニア州は自動車産業に対して「友好的な後押し」が必要であると見ている。カリフォルニア州大気資源局はすでに、EVの販売・購入のほか、充電ステーションなどのEVに適したインフラの構築を奨励するプログラムを複数実施しているのだ。

1990年に立ち上げられた同州の「ゼロエミッション車」プログラムは、現在ではほかの14の州でも実施されている。このプログラムでは、炭素クレジットの取引制度が設けられており、2025年に至るまでゼロエミッション車の導入台数を徐々に増やしていくことを自動車メーカーに義務づけている。しかし、それからわずか10年後までに自動車販売をゼロエミッション車に100パーセント切り替えるには、州大気資源局は自動車メーカーとドライバーの双方をEVの新しい世界へ誘い込むための複数の目標を設定しなければならないだろう。

世界の自動車メーカーや自動車サプライヤーを代表するロビー活動団体である「米国自動車イノベイション協会」の広報担当者に、この件についてコメントを求めたが、回答は得られていない。

EVへの移行がすべてではない

ニューサムが23日に署名した行政命令は、交通分野のほかの領域や化石燃料産業も対象にしている。行政命令では、クリーンな輸送・交通手段を改善するとともに、「州全体にわたる鉄道と交通の一体的なネットワーク構築に向けた」取り組みを続けるよう州機関に指示している。

このほかにも、特に低所得者層のコミュニティにおいて、自転車、徒歩、スクーターのためのインフラ整備に向けた支援の強化を命じている。また、石油生産からの移行を促進するよう、各機関に指示している。

非営利団体「憂慮する科学者同盟」で「クリーン自動車プログラム(Clean Vehicles Program)」の研究担当副部長を務めるドン・アネアーによると、行政命令の要点は次のようなものになる。「カリフォルニア州のすべての住民がクリーンな交通手段をもつべきですが、必ずしもEVを必要とするわけではありません」。歩くのも、自転車を走らせるのも、公共交通機関を利用するのも自由なのだ。

こうしたことから、同州の規則策定者の前には仕事が山積している。すでに州の弁護士も、自動車の燃費基準を巡って連邦政府と争っている。「訴訟の行方、そして州大気資源局が合法的に規則を執行できる否かが大きな焦点になっています」と、カリフォルニア大学のエルカインドは指摘する。

なお、連邦政府機関はトランプ政権下で、カリフォルニア州が独自に自動車の基準を定める権限を取り上げる権利があると主張してきた。カリフォルニア州はこれに反発している。

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