PR

WIRED WIRED

ガソリン車の新車販売禁止を打ち出したカリフォルニア州、その実現に向けて見えてきた「大きな課題」

 カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事が、2035年までに州内でガソリン駆動の自動車とトラックの新車販売を禁止するという行政命令に署名した。しかし、この野心的な計画を実現するには、いまだに高価で走行距離が短いEVの普及促進に加えて、クリーンな輸送・交通手段の整備といった大きな課題が立ちはだかっている。

TEXT BY AARIAN MARSHALL

WIRED(US)

JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES
JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES

カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事は9月23日(米国時間)、2035年までに州内でガソリン駆動の自動車とトラックの新車販売を禁止するという野心的な計画を定めた行政命令に署名した。ガソリンエンジンを禁止するこの米国初となる行政命令では、電気自動車(EV)の販売拡大を義務づける規則を作成するよう、州の大気資源局(ARB)に指示している。「気候変動への対処として、わが州がとりうるなかで最も影響力のある措置になります」と、記者会見したニューサムは言う。

カリフォルニア州はこの数週間、惨憺たる状況に見舞われている。この8月以降、異常な雷雨、キャンプファイヤーの火の不始末、そして性別披露パーティーが文字通りの火元になり、州全体に猛スピードで山火事が広がった。

火災現場の外に位置する家屋も灰で覆われ、サンフランシスコ・ベイエリアの上空はオレンジ色に染まった。熱波が西海岸を襲い、カリフォルニア州のデスバレーでは気温が54.4℃を記録し、地球上で史上3番目に高い気温となった。同州西部では今夏、少なくとも25人が山火事で死亡している。もちろん、世界的なパンデミック(世界的大流行)も忘れてはならない。

ニューサムは今月初め、ある火災の被害状況を調査してこう語っている。「気候の非常事態です。これは現実であり、実際に起きていることです。最悪の事態になってます」

頭打ちとなっているEVの販売

ニューサムは23日の会見で、緊急事態に対して行動を起こす計画についての概要を発表した。同州では交通機関が温室効果ガス排出量の40パーセントを占め、ぜんそく、心臓病、肺がんを引き起こす大気汚染の主な原因となっている。今年初めに発表された報告書によると、2030年の排出目標に向けた取り組みで同州は行き詰まりを見せているが、路上のガソリン車の数を減らせばプラスに働く可能性があるとしている。

「この措置は、カリフォルニア州の交通機関に関する指針について明確なシグナルを送るものであり、非常に大きな意義をもちます」と、カリフォルニア大学バークレー校の「法・エネルギー・環境センター」で気候プログラムを担当するイーサン・エルカインドは語る。

EVとしても走行できるプラグインハイブリッド車(PHV)の販売数のうち、カリフォルニア州は米国において単独で半数以上を占めている。このペースが続けば、2030年までに500万台のEVの販売を求める18年の行政命令に定められた目標を達成できるのではないかとの見方もある。

しかし、19年に販売された「軽量自動車」のうち、EVまたはPHVはわずか7.9パーセントにすぎず、目標に達するにはこの割合が15年後の時点で12倍以上に増加していなければならない。これまでのところ、カリフォルニア州民が購入したEVまたはPHVは72万6,145台にとどまっている。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ