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聴診器がスマートフォンにつながれば、通院の多くは削減できる:ポーランド企業が考える新しい遠隔医療のかたち

「上空を通過する飛行機の音を聞くだけで、その機種を判別できますよね。それなら、肺の内部で起きていることもモデル化できるはずです」と、ラドムスキーは説明する。StethoMeの最新の調査によると、このアルゴリズムの精度は平均的な開業医と比べて39パーセント高かったという。

対面診断ではないことの弱点

このワイヤレス聴診器の開発元である同名の企業StethoMeには23名の従業員がおり、これまでに350万ユーロ(約43億円)の資金を調達している。そして現在、米食品医薬品局(FDA)の認可取得を目指すとともに、欧州全体でStethoMeを販売しようと取り組んでいる。また、保険会社と連携しているほか、今回のパンデミックで爆発的な人気を得ている遠隔医療サービスとも協力している。

小児保健を専門とするノッティンガム大学のアラン・スミス教授は、次のように語る。「呼吸器疾患をもつ子どもたちの健康維持に役立つと同時に、子どもたちを新型コロナウイルスの感染リスクから守る新しい方法を探す必要がありました。ただし当然のことですが、この方法では対面診断なら得られるはずの多くの情報が欠落することになります」

StethoMeが抱えるこの問題については、医師がほかの情報源にアクセスできるようにすれば解決できると、ラドムスキーは考えている。ただしノッティンガム大学のスミスは、医師たちが一般的な聴診器をもつ代わりにそれぞれの患者が個別にStethoMeをもつことになるので、追加の費用が発生すると指摘している。

すべての家庭にStethoMeを

だが、StethoMeを使うことで、医師たちはデジタルダッシュボード経由で患者のデータを入手できる。疾病の可能性があるとアルゴリズムが特定した領域には、赤で印がつけられている。StethoMeが録音したオリジナルの音源も聴くこともできる。

この機能は、特にコロナ禍においては有用であることが明らかになった。医師がマスクやフェイスシールドといった個人防護具を装着すると、従来型の聴診器は個人防護具の下でからまってしまうからだ。StethoMeをBluetooth対応のワイヤレスイヤフォンと組み合わせれば、患者の肺の音を簡単に聴くことができる。

いつの日かStethoMeは、軽症の患者のモニタリングに使われたり、介護施設のような場所での定期健診の際に早期警告システムとして利用されたりする可能性がある--。ラドムスキーは、そう考えている。

「わたしたちの夢は、すべての家庭にStethoMeが備えられるようになることです」と、ラドムスキーは言う。「そして医療費と不要な通院や往診が大幅に減り、多くの命が救われることなのです」

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