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害虫に“組み込まれた退化”が農業を救う? 遺伝子組み換えされた幼虫で食害を防ぐ試みの賛否

Oxitecは遺伝子組み換えコナガも開発し、ニューヨーク州北部で17年に現場実験を実施した。遺伝子組み換え蚊と同様に自己制御遺伝子の組み換え技術を用いて、コナガの幼虫の個体数を減らすというものだ。

コナガの幼虫は、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーなどアブラナ科の作物を食べてしまう。コナガのプロジェクトは終了し、期待できる結果が示された。しかしOxitecは、プロジェクトの対象をツマジロクサヨトウに切り替えることにしたと、同社の農業プログラムの責任者のモリソンは言う。

求められる環境に優しい戦略

とはいえ、遺伝子組み換え昆虫の導入が農業病害虫と闘う方法であると、すべての人が考えているわけではない。ワシントンD.C.を拠点に環境保護や持続可能な農業を訴えている消費者擁護団体の食品安全センター(Center for Food Safety)の政策分析担当ディレクターであるジェイディー・ハンソンも、遺伝子組み換え昆虫に反対している。かつて同センターはOxitecの遺伝子組み換え蚊を放つというEPAの決定に反対していた。

ハンソンによると、Oxitecの計画は発展途上国の農家が直面しているさまざまな害虫のたった1種類を駆除するにすぎず、その他の害虫は相変わらず農場に侵入し続ける。「問題は駆除する標的を絞ったアプローチをいつとるのか、その他の害虫を持続可能な方法で全滅させるために何が必要なのかという点です」と、ハンソンは言う。

コーネル大学教授で昆虫学が専門のアンソニー・シェルトンは、Oxitecと共同で17年にコナガを放つ実験をおこなった。農家と害虫の闘いは延々と繰り返される単調な仕事のようなものだと、シェルトンは認める。科学者が革新的な技術を開発しても、標的にされた繁殖の早い昆虫はその技術を回避すべく殺虫剤への抵抗力をつけるなど進化することによって、即座に対抗するのである。

「わたしたちは戦略を修正し続けなければなりません。生命システムを破壊してはならないからです」と、シェルトンは言う。「わたしたちがしなければならないことは、現在の戦略よりも持続性があり、環境に優しい戦略を見つけることなのです」

農薬を使わない解決法は成功するか

どのような遺伝子組み換え生物も、総合的病害虫管理というシステムの一部でなければならないと、シェルトンとテスノーは口を揃える。総合的病害虫管理には、昆虫がある特定の植物で増加しないようにするための輪作、害虫の天敵の生育の促進、農薬で死滅しない昆虫の農薬への抵抗力を強めないという目的に即した限定的な量の殺虫剤の使用が含まれる。

問題の大半は、熱帯の農場を閉鎖に追いやっているツマジロクサヨトウの激増に対して、農薬を使わない解決方法が成功するかどうかにかかっている。

「ツマジロクサヨトウは、まさに世界中に広がっている深刻な害虫です」と、シェルトンは言う。「農業でツマジロクサヨトウによる大惨事が生じないようにするには何が有効なのか突き止めるために、あらゆる技術を検討する必要があります」

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