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進まない米国でのドローン配送、その実用化がまだ先になる3つの理由

 米国ではドローンによる配送のテストプロジェクトが増えているが、アマゾンで注文した商品が空からやってくるのはだいぶ先のことになるだろう。そもそも、ドローン配送をどれだけの住民が歓迎しているのかもわかっていないのだ。

TEXT BY AARIAN MARSHALL

TRANSLATION BY MADOKA SUGIYAMA

WIRED(US)

PHOTOGRAPH BY AMAZON
PHOTOGRAPH BY AMAZON

米国の物流大手UPSの子会社でドローン配達を専門とするUPS Flight Forward(UPSFF)、ドローンメーカーのMatternet、そしてノースカロライナ州の医療機関のウェイク・フォレスト・バプティスト・ヘルスは、2020年7月半ばにあるプロジェクトを始めた。

3社の目的は極めて先進的である。ウェイク・フォレスト・バプティスト・ヘルスの約0.5マイル(約800m)離れた2カ所の施設間を、特殊医薬品と保護具を載せて行き来するのだ。想像してみてほしい。特殊医薬品や個人用防護具(PPE)といった医療品を積み、最高時速43マイル(同約70km)で勢いよく飛んでいく小さな飛行機を--。

いまだローテクなドローン配送

現時点では、ドローンの操作には人間がかかわっている。このクワッドコプターは、専門のドローンパイロットでなければ操縦できないのだ。そして、この種のパイロットの資格をとるためには、航空学の知識を含む難関の試験に合格しなければならない。

飛行中は常に、飛行経路に沿って配置されている眼視観測者(visual observers)による監視も義務づけられている。眼視観測者はドローンが空中で何かに衝突しないようにするために、双眼鏡を使わず肉眼でドローンを観測しなければならない。

最先端技術のドローンを扱うにしては、この状況はかなりローテクである。Matternetの最高経営責任者(CEO)のアンドレアス・ラプトポロスが言うように、ドローンによる配送は「大規模で実現可能なものではない」のだ。Matternetはスイスの国営郵便会社スイスポストと共同で、これまで3,000回以上にわたるドローンによる医療サンプルの輸送を実施してきた。そのスイスでは、ドローンはチューリッヒ近郊のオペレーションセンターから遠隔で監視される。

米国内で進むドローン配送プロジェクト

米国でのドローン配送には困難な面があるにもかかわらず、一部の大企業はドローン配送の将来性に関心を寄せている。

アマゾンは2020年9月初め、米連邦航空局(FAA)から航空運送業者としてドローン配送開始の認可を得た。UPS、アルファベット子会社のWingに続き、米国では3社目だ。アマゾンはまた、英国やオーストリア、フランス、イスラエルにドローン開発センターも保有している。

配送ドローンのテストをいつどこで始めるのかについてアマゾンは回答を避けたものの、同社の幹部はドローンを商品配送を迅速化する戦略の一環と見なしている旨を明言している。

さらに、ドローン配送には別の利点もある。ドローンはバッテリーで動くので、配送用バンのように排気ガスを出さないし、交通渋滞も起こさない。

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