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もはや豪華な社食は不要に? リモートワークへの移行で変わるテック企業の福利厚生

 激しい人材獲得競争を勝ち抜くため、福利厚生に力を入れてきたテック企業たち。リモートワークで豪華な社食やゲームコーナーが不要になったいま、企業は福利厚生のあり方を再考している。向かう先は、よりウェルビーイングな、より多様な社員にとって実用的な福利厚生だ。

TEXT BY ARIELLE PARDES

TRANSLATION BY YUMI MURAMATSU

WIRED(US)

MIGUEL PEREIRA/GETTY IMAGES
MIGUEL PEREIRA/GETTY IMAGES

ヘルステック・スタートアップのOlive(オリーヴ)をショーン・レインが創業したのは、2012年のことである。このときレインは、シリコンバレーの巨大テック企業たちのことを参考にした。

グーグルが社内にシェフを擁していたので、Oliveでもシェフを雇った。アップルはキャンパス内にジムをもっていたので、Oliveも同様の施設をつくった。オハイオ州コロンバスにある本社に理髪店を開設し、手づくりのゲームコーナーも設置した。

レインはこのコロンバスで、いつか摩天楼の一角にそびえるオフィスを建てることを夢見ていた。「成功しているほかの企業を参考に、成功パターンを取り入れようとしていたのです」と、レインは振り返る。

そして、2020年がやってきた。本社の拡大は、率直に言うとばかげた計画となった。社員がリモートワークに移行したことで、オフィスのゲームコーナーは使用されないまま鎮座し、ほこりが降り積もっている。ところが、レインがOliveの社員に調査したところ、本社施設という福利厚生がなくなったことについて、社員はそれほど意に介していないことがわかった。

代わりに社員が欲していたのは、休暇だ。そこでOliveでは、本社施設の拡大に割り当てていた予算を使い、別荘を借りることにした。予約制で、従業員が必要なときにいつでも無料で利用できる施設だ。「1、2カ月おきに新しい施設を増やしていく計画です」と、レインは話す。「最初はビーチの近くに、次は田舎のほうを予定しています」

福利厚生は、人材獲得の重要要素

ホワイトカラーの世界では長い間、職場の福利厚生は人材を勧誘するための手段だった。

特に米国のテック企業は、この手法によって引く手あまたの求職者を確保し、長く自社で働いてもらおうとしてきた。スタイリッシュな本社、無料の食事、一流の社内イベントで新しい社員たちを驚かせるのだ。いまではテック企業で働く誰もが、会社負担の卵子凍結や無制限の有給休暇といった福利厚生を期待するようになっている。

キャリア情報サイト「Glassdoor」の2016年の調査によると、回答者の半数以上が、職場の福利厚生は「内定を受諾する前に最も考慮することがらのひとつ」だとしている(この調査で見つかった最高の福利厚生のひとつは、Airbnbによる年間2,000ドルの旅行費支給だった)。どこの内定を受けるか選ぶとき、そうした福利厚生があれば、オフィスが“仕事場”ではないように感じられるからだ。

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