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“酔っている”ことは、歩き方をスマートフォンで分析すれば検知できる:研究結果

 呼気や血液に含まれるアルコールの量を計測しなくても、“酔っ払い”の状態はスマートフォンひとつで比較的正確に計測できる--。そんな研究結果が、このほど米国の研究チームによって発表された。鍵を握るのはスマートフォンが内蔵している加速度センサー、つまり持ち主の動きだ。

TEXT BY MATT SIMON

WIRED(US)

REINHARD KRULL/EYEEM/GETTY IMAGES
REINHARD KRULL/EYEEM/GETTY IMAGES

漫画で描かれる酔っ払いの典型は、まぶたが垂れ下がり、足元がおぼつかず、どういうわけか頭上に泡が浮かんでいるといった具合に、見るからにだらしない格好をしている。しかし実際のところ、酔っ払っているかどうか判定することは、それほど簡単ではない。

例えば、警官がクルマを停止させて道端で飲酒検査をする際には、アルコール検知器を利用して酩酊状態を客観的に判定するしかない。エタノールは肺で血液から呼気に排出されるので、このデバイスで呼気中のアルコールを検出できるからだ。

しかし、たとえ呼気中アルコール濃度(BrAC)が米国の運転者の法定上限である0.08の場合であっても、完全に正常に行動する人もいれば、側溝に落ちたピザひと切れを拾おうとしてうまく拾えないほど酔っ払ってしまう人もいる。

こうしたなか科学者たちは、酩酊状態の判定に役立つ可能性がある新たな方法の開発に取り組んでいる。その方法とは、酔っ払いの典型的な特徴とされる(実際その通りである)よろよろした歩き方に改めて着目することだ。

酔っていると、自分ではどんなにうまく歩いていると思っても(特に先ほどの側溝でピザと格闘している人と比べれば自分はまだ大丈夫だと思えても)、歩き方の微妙な変化やそれほど微妙ではない変化によって、体内のアルコールレベルが明らかになる可能性がある。そしてスマートフォンを持ち歩いていれば、内蔵されている加速度計がそうした変化をキャッチできるのだ。

実際、少なくとも実験室の環境では、スマートフォンのモーションデータを利用して被験者が酔っているかどうかを93パーセントの平均精度で検出できることを示す研究結果が、ピッツバーグ大学の科学者によってこのほど発表された。科学の名の下に人を酔っ払わせ、よろよろ歩く姿を観察する行為は、単なるおふざけのように思われるかもしれない。だが、この研究は重要な分野で活用できる可能性を秘めている。

横方向への揺れが“酔っ払い”のポイント

実験は、被験者のために、意外と手の込んだ飲み物を用意することから始まる。ライムジュースとシンプルなシロップで割ったウォッカ、それもかなりウォッカを多めにしたドリンクである。安全に配慮することはもちろんだが、かなり早いペースで呼気中アルコール濃度0.20のピークに達してもらうために、被験者は1時間でこのハードなドリンクを飲み干さなければならない。

「アルコール濃度の法定上限0.08を超える領域で、十分なデータポイントを収集したかったのです」と、この研究の筆頭著者であるブライアン・サフォレットは言う。サフォレットは、当時ピッツバーグ大学医学部に所属していたが、現在はスタンフォード大学に勤務している。

「これよりアルコール度数の低いものを与えると、ひとつかふたつの時点についてしかデータが取得できないうちに、身体がアルコールを代謝してしまいます」。さらに1日に研究室で費やせる時間には限りがあるので、被験者がゆったりと酔っ払うまで待っている暇はないのだ。

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