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その購入の決断は“操作”されている? ネット通販サイトに仕込まれた「ダークパターン」にご用心

 ネット通販サイトでは、ユーザーの心理的な“弱点”を突くことで意図しない決断に導く「ダークパターン」と呼ばれるデザインが浸透している。同調圧力や希少性バイアスを利用したものから、偽の在庫表示やカウントダウン・タイマー、架空の商品レビューのような詐欺に近いものまで--。さまざまなダークパターンの特徴と問題点について解説する。

TEXT BY LOUISE MATSAKIS

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(US)

偽のカウントダウンタイマーから、誘導するためのフレーズまで──。ネット通販には利用者からお金を吸い上げるための仕掛けがたくさんある。IMAGE BY SAM WHITNEY
偽のカウントダウンタイマーから、誘導するためのフレーズまで──。ネット通販には利用者からお金を吸い上げるための仕掛けがたくさんある。IMAGE BY SAM WHITNEY

まだ米国の大部分で外出が制限されていた2020年4月、アマゾンは異例の決断を下した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で注文が殺到して対応に苦心していた同社は、ウェブサイトにちょっとした細工を施した。消費者が「より多く」ではなく、「より少なく」購入するように仕向けたのだ。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によると、アマゾンは出荷スケジュールと在庫品目の変更に加えて、一緒に購入されることの多い商品を表示するお薦め機能を無効にしていたという。

こうした変更によって、間接的に明らかになったことがある。デジタル小売業者たちが自らのウェブサイトを入念に調節し、訪問者が使う金額を最大化しようとしていることだ。

こうした方策の多くは、一定額を超える注文については送料を無料にするといった良心的なものである。しかし、なかには人を欺くような、ときに「ダークパターン」と呼ばれるカテゴリーに分類されるものもある。

人間の心理的な弱点を食い物に

ダークパターンとはデジタルなデザイン要素の一種で、それが存在しなければしなかったような決断を下すよう、利用者を“操作”するものだ。そして、操作された行動の多くは企業の利益になる。例えば、「はい」のボタンのほうが「いいえ」のボタンより大きくて明るく輝いていれば、マーケティングメッセージを受け取るためのメールアドレスを、つい教えてしまうかもしれない。

ダークパターンという言葉は、ユーザーエクスペリエンス・デザイナーのハリー・ブリヌルが10年前につくった造語だ。ブリヌルはダークパターンをいくつかのタイプに分類したが、その多くは人間の心理的な弱点を食い物にするものである。

最近では米国の連邦議会でも取り上げられており、19年にはダークパターンの使用を規制する法案が検討された。ダークパターンはウェブのいたるところで見つかるが、最も悪質な例が見られるのは、利益が直接かかわってくるショッピングサイトだ。

プリンストン大学とシカゴ大学の研究者たちは19年、約11,000カ所のショッピングサイトに注目し、そのうち11パーセント以上でダークパターンを見つけたとする調査を発表した。なかには、「ファッション ノバ(FASHION NOVA)」やJ.C.ペニーといった大手小売業者も含まれていた。

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