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アップルが得た「2兆ドル企業」という“勲章”は、フォートナイトを巡る闘いを不利なものにする

 アップルの時価総額が米国企業として初めて2兆ドル(約211兆円)を突破したが、この状況はアップルにとって手放しで喜べるものではない。その強さを証明するがゆえに、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元との“手数料抗争”において、不利に働く可能性があるからだ--。『WIRED』US版エディター・アット・ラージ(編集主幹)のスティーヴン・レビによる考察。

TEXT BY STEVEN LEVY

WIRED(US)

ANDREJ SOKOLOW/PICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES
ANDREJ SOKOLOW/PICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES

自分の会社が史上最も価値のある会社になれば、手放しで喜ぶのが普通の反応だろう。この8月にアップルは、米国企業として初めて「2兆ドルの壁」を突破した。時価総額が2兆ドル(約211兆円)を超えた企業は、ほかに世界でもサウジアラムコしか存在しない。アップルは同社を抜き去ったことで、シリコンが「新しい石油」であることを証明してみせた。

こうしたなか、ゲーム会社のエピックゲームズとの綱渡りのような応酬は、依然として続いている。もしこれが解決していれば、最高経営責任者(CEO)のティム・クックがソーシャル・ディスタンス(社会的な距離)を保った状態で開いたアップルの祝賀会は、より楽しいものになっていたことだろう。

だが、この混乱のなか2兆ドル企業であることは、アップルにとって有利に働かない。

「邪悪な巨人」として描かれたアップル

状況を再確認しよう。アップルは「App Store」を利用してソフトウェアを配信する企業が生み出す収益から、30パーセントの手数料を徴収している。大ヒットゲーム「フォートナイト」を開発するエピックゲームズは、この手数料が高すぎると考えている。

そこでエピックゲームズは、App Storeを迂回して手数料を回避する課金システム「Epic ディレクトペイメント」の提供を開始し、そこで決済するユーザーに対してゲーム内通貨を割引価格で販売するようになった。アップルはこの行為が同社のルールに違反していると主張し、フォートナイトをApp Storeから削除した。

なお、同じく30パーセントの手数料を徴収するグーグルに対しても同様の手口を使ったことで、フォートナイトは「Google Play」からも追放された。ただしAndroidの場合は、iPhoneユーザーにはない選択肢として、エピックゲームズからゲームを直接インストールすることが可能になっている。

エピックゲームズのこうした動きは、アップルの巨大な市場支配力に対する挑戦を意図したものであるように思えた。事実、同社はApp Storeでの販売禁止を的確に予測し、アップルを独占的な不正行為で訴訟する準備も事前に整えていた。

また、1984年に発表されたアップルの有名な「Macintosh」のCMを再現した動画まで用意していた。オリジナルのCM映像では、気骨のある弱小勢力であるアップルが、悪の巨人であるIBMからユーザーを解放する姿が描かれていた。それが今回の動画では、アップルこそが邪悪な巨人として描かれている。

エピックゲームズが正しいのだろうか? それとも、iPhoneやiPadでデベロッパーが稼いだお金の3分の1近くを奪うアップルのやり方が正しいのだろうか?

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