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使い捨てプラスティックには課税すべき? その是非を巡る議論が米国で活発化

 プラスチックの廃棄量は向こう20年間で10億トンを超える可能性がある。こうしたなか米国では、レジ袋や食品容器などの使い捨てプラスチックに課税する動きが出始めた。

TEXT BY MATT SIMON

TRANSLATION BY CHIHIRO OKA

WIRED(US)

RICHARD DRURY/GETTY IMAGES
RICHARD DRURY/GETTY IMAGES

国民に何かをやらせたくないとき、いちばんいい方法は税金をかけることだ。たばこを例に見てみよう。高所得国では一般的に、課税によってたばこが10パーセント値上がりすると、需要は4パーセント落ち込むことがわかっている。

スウェーデンをはじめとする一部の国では、化石燃料に課税する炭素税が導入されている。気候変動への取り組みの一環で、基本的には環境汚染につながるようなものに税金をかけるシステムだ。そしていま、地球環境の保全に向けた環境税の対象に使い捨てプラスチックを加えるかを巡って、大きな議論が巻き起こっている。

カリフォルニア州による「カリフォルニア州リサイクリングおよびプラスチック汚染削減法(California Recycling and Plastic Pollution Reduction Act)」の法案では、使い捨てプラスチックに1セント(約1円)の税金をかけることが提案されている。法制化が実現すれば、プラスチック容器やポテトチップスの袋など、リサイクルも堆肥化もできない包装材を使っている製造業者は新たな税を支払うことになる。

法案の背後にいるのは廃棄物の収集を請け負う民間企業Recologyで、環境保護団体のザ・ネイチャー・コンサーバンシーなどと共同で、370万ドル(約3億9,000万円)を費やして議会提出に向けたキャンペーンを進める。昨年11月には州議会への提出に必要な数の署名がほぼ集まっていたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のため予定が遅れ、現在は22年の投票を目指して活動を続けている。

プラスチックの再利用を促す取り組み

課税の目的は、食品や日用品などのメーカーの容器への使い捨てプラスチックの利用を割高にすることだ。税収は年間数十億ドル規模になる見通しで、ごみの削減やリサイクル関連の補助金などに振り向ける。最近の原油価格の下落によりバージン・プラスチック(リサイクル素材を使わないプラスチック)の価格が下がっており、再生プラスチックは価格面での競争力を失って苦戦を強いられている。

また、税収の半分はリサイクルや堆肥化のためのインフラ整備に投じる計画だ。家庭からのリサイクルごみ収集プログラムや、回収したプラスチックを再利用可能なかたちに加工する業者などが補助の対象となるだろう。

使い捨てプラスチックへの課税により、理論上は再生プラスチックの競争力を高めることが可能になる。Recologyのバイスプレジデントのエリック・ポタシュナーは、「バージン・プラスチックではなく再生プラスチックを使うことは、メーカーにとって経済的には合理的な選択ではありません。ですから、補助金を給付することで方程式のバランスをとろうとしているのです」と説明する。

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