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新型「iPad Pro」は、“新しい種類のノートPC”へと進化しようとしている:製品レビュー

最も高価なiPadである新しい「iPad Pro」は、ストレージ容量が128GB、256GB、512GB、1TBから選べる。11インチモデルは749ドル(日本では84,800円)から、12.9インチモデルが899ドル(同104,800円)だ。

そんなiPad Proを選ぼうという人は、さらに299ドル(同31,800円)を払って新しい「Magic Keyboard」も求めることが多いだろう。トラックパッドを搭載しているので、マウスを用意しなくていい。それにUSB?Cポートを備えているので、マグネットで取り付けたiPad Proにパススルーで充電できる。

キーボードとトラックパッドを搭載したタブレットカバーへのアップルの参戦は、いつものように遅くなった。それでも、フローティングカンチレバー式を採用したデザインはアップルの完勝だ。画面の角度はまさにノートPCのように、0度から130度の間のどの角度にも調整できる。約300ドルという価格も、これでいくらか説明がつくかもしれない。

キーボードはフルサイズでキートップが独立したシザー式になっており、キーストロークは1mmで、バックライトまで付いている。ヒンジの部分にUSB-Cポートがあり、iPad Proをパススルー充電すれば、iPad Pro側のUSB-Cポートは別の周辺機器に使える。

iPadにとって自然な進化

アップルは単に“降伏”したのであり、負けを認めてiPadをトラックパッドとマウスに対応させたのだと考えている人もいるかもしれない。だが、それは大局的な視点からものごとが見えていない。実際のところ、これはiPadにとって自然な進化であり、最初からこの方向へと進んでいたのだ。

デスクトップPCとノートPCから離れ、モバイルコンピューティングへと移行が加速しているいま、それが新しいUIと機能を受け入れて古い機能に別れを告げることだと考えるのも理解できる。だが、実際はそうではない。

かつてマイクロソフトで「Windows」と「Surface」を担当していたスティーヴン・シノフスキーが指摘しているように、「新しい形態の(コンピューターの)進化は、ほぼ常に古いフォームファクターから(機能を引き継いで)改めて追加するという意外なパターンになっていく」のだ。

ノートPCもそうだった。フロッピーディスク、ハードディスク、ポート、ドック、強力なCPUなど、デスクトップPCに特有だったものが少しずつ追加されたのだ。結局、持ち運べるノートPCは、最初にたもとを分かつことになったデスクトップPCの構成要素と基本的に似たものになった。

シノフスキーはまた、PCがサーバーへと進化していくとも予想していた。「PCは小さくてあまり複雑ではないコンピューターとしてつくられた。メインフレームの複雑さをあらゆる面で取り除くことで、コンピューティングは手が届きやすい安価なものになった」と、彼は指摘する。

その後、PCがサーバーの役割も果たすようになった。メインフレームのユーザーたちは当初、オフィス向けコンピューターと変わらないこうした「サーバーPC」を、おもちゃだと切り捨てていたのだ。

10年かかった“再発明”

話を戻そう。タブレット端末はノートPCを“再発明”することになる。だが、それはありふれた感じがする一方で、旧来の機能とUIの使われ方を決定的に変えていく。うまくいけば、その際に機能が改良されていく。

iPadが最初に登場してから10年になるが、iPadがノートPCを“再発明”する兆しはあった。Brydgeのようなメーカーが、iPadをノートPCのように使える金属製のキーボードケースをつくったときから、誰の目にも明らかだったのである。

iPad Proは、既存のノートPCに置き換わろうとしているわけではない。“新しい種類のノートPC”になろうとしているのだ。問題は、ここにたどり着くまでに10年かかってしまったことである。アップルがもう少しペースを上げてくれることを、切に願いたいところだ。

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