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アフリカはいま、「バッタの大群・洪水・パンデミック」の三重苦に襲われている

 たった1日で2,500人分の食糧を食い尽くすバッタ、作物を洗い流す洪水、そしてあらゆる支援の手を阻む新型コロナウイルス--。この三重苦によって、アフリカはいま深刻な食糧不足の危機に陥りつつある。この三重苦は次なる悪循環を招く危険性があるが、それだけではない。さらなる問題を生む可能性も指摘されているのだ。

TEXT BY MATT SIMON

TRANSLATION BY MUTSUMI FUNAYAMA

WIRED(US)

SUMY SADURNI/GETTY IMAGES
SUMY SADURNI/GETTY IMAGES

気候変動と今春の激しい雨が相まって、アフリカではバッタが大量発生している。この大群により、ケニア、エチオピア、ソマリアの穀物は一掃されてしまった。あとに残るのは、何世代にもわたって経験されたことのないほどの「破壊」の痕跡だけだ。

バッタの群れは、この数カ月で急速に北に向けて拡大し、オマーン湾を越え、イラン、パキスタン、インドにも侵入し始めている。国連食糧農業機関(FAO)は、これらの地域におけるバッタ、豪雨、そして新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済低迷の三重苦を、「食糧安全保障を脅かすかつてないほどの脅威」と位置づけた。

たった1日で2,500人分の食糧を食い尽くす

「農民たちは、バッタの害、季節性の洪水と激しい雨、そして新型コロナウイルスによる制約という三重の脅威に苦しめられています」と、国際協力団体オックスファムのリディア・ジゴモは言う。ジゴモは「アフリカの角」(ソマリア全域とエチオピアの一部)地域、東・中央アフリカを担当する地域ディレクターである。「都市や町の間での移動が制限されることから、農作物を運ぶことが難しくなっているのです」

バッタが特に恐ろしい害虫であることは、その食生活を聞けばわかる。FAOによると、平均的な大きさのサバクトビバッタの群れは、たった1日で2,500人分の食糧を食い尽くすという。

「サバクトビバッタは、かなりの雑食です。選り好みせずに何でも食べますから」と、アリゾナ州立大学グローバル・ローカスト・イニシアチヴの研究コーディネーター、リック・オバースンは言う。「ただし、ほかの食糧より炭水化物が多い穀物はバッタの大好物であることから、最も影響を受けやすく、さらに最も大きな経済的ダメージを与えます」

人間の主食である小麦、ソルガム、キビやアワなどの雑穀、コメは、どれも炭水化物の多い穀物だ。これらの炭水化物をたくさん食べると、バッタたちの成長は速まり、行進も加速していく。

東アフリカの農民たちの作物がバッタの害を生き延びたとしても、気候変動によって悪化している豪雨が残った植物を流してしまうこともある。

「さらに農民たちを苦しめているのが、新型コロナウイルスです」と、ジゴモは言う。「感染者数という面では、この地域の被害はそれほど大きくはありません。それでも感染拡大防止策としての移動の制限が、バッタを抑え込むための対策にも、農民たちの作物の取引にも悪影響を及ぼしています。これらすべての同時進行が最悪の状況つくり出しているのです」

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