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アメリカンウイスキーには“指紋”があった!? たった1滴で銘柄を判別する方法が発見される

 1滴のアメリカンウイスキーを蒸発させると、まるでクモの巣のような模様が残る。これが銘柄によって異なることを、米大学などの研究チームが突き止めた。模様は一種の“指紋”となることから、偽物の判別につながる可能性が期待されている。

TEXT BY MATT SIMON

TRANSLATION BY MIHO AMANO/GALILEO

知る人ぞ知る、ラビット・ホール蒸留所のライ・ウイスキー。アメリカン・ウイスキーを蒸発させると、そこに残った固体は特徴的なクモの巣状の模様になる。PHOTOGRAPH BY STUART WILLIAMS
知る人ぞ知る、ラビット・ホール蒸留所のライ・ウイスキー。アメリカン・ウイスキーを蒸発させると、そこに残った固体は特徴的なクモの巣状の模様になる。PHOTOGRAPH BY STUART WILLIAMS

責任感のある人なら誰しも、きっと新型コロナウイルスの終息を待ちながら自宅で過ごしてきたことだろう。ことによると、アメリカンウイスキーを飲んで大いに酔っ払っているかもしれない。

それならテーブルの上にウイスキーを数滴ほど垂らしてみてほしい。乾いたときに面白いことが起こるからだ。ガラス製テーブルの上で乾いたウイスキーに横から光を当てて写真を撮ると、独特のクモの巣状のパターンが形成されている様子がわかる。

だが、スコッチウイスキーやカナディアンウイスキーならやっても無駄だ。ノースカロライナ州立大学とルイビル大学の研究者の論文によると、この現象が見られるのはアメリカンウイスキーだけなのだという。そしてブランドごとに独自のパターンを形成することが、すでにわかっている。

このような「ウイスキーのクモの巣」は一種の指紋のような役割を果たす。そして将来的には、偽造ウイスキーの摘発に役立つ可能性があると考えられている。

ウイスキーがもつ奇妙な“癖”

「偽物の特定は可能だと思いますが、それまでにやるべきことは山のようにあります」と、『ACS Nano』に発表された論文の共著者であるルイビル大学の機械エンジニアのスチュアート・ウイリアムズは言う。例えば、評価する際に比較できる画像を蓄積する必要があるという。「気温や湿度といった環境要因も結果に影響することがわかりました。このため標準化したテスト手順を作成した上で、人為的ミスを評価する必要があります」

この研究の過程で貴重なウイスキーが無駄になっているのではないかと、気を揉む人もいるかもしれない。だが、心配はいらない。写真のサンプルに使われたウイスキーは、わずか1マイクロリットル(1リットルの100万分の1)。30,000滴でようやくショット1杯になるような量だ。サンプルは研究者の地元の酒屋や蒸留所から入手したものもあれば、「同僚たちが気前よく無償提供してくれた」ものもある。

サンプルはごく少量だっただけでなく、アルコール含有量20~25パーセントに希釈する必要もあった。ウイスキーがもつ化学的な奇妙な“癖”が理由である。

「ウイスキーに水を数滴加えると、フレーバー化合物(芳香族化合物)が生じるという話を聞いたことがあるかもしれません」と、ウィリアムズは言う。「その理由のひとつは、水を加えると化合物が逃げ出そうとするというものです。ウイスキーは水が嫌いなんです」。つまり、ウイスキーのエタノールも逃げ出そうとすることで、こうした化合物とともに表面に出てくるのだ。

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