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太陽系外から来た天体「オウムアムア」は、“水素氷山”だった? 新たな仮説の真実味

 観測史上初の太陽系外から来た天体として発見された「オウムアムア(Oumuamua)」が、実は巨大な分子雲から吐き出された水素氷山であるとの仮説が、このほど公表された。この“氷山理論”によってオウムアムアが奇妙な葉巻型であることも、太陽系に入ってから加速を始めた理由も説明が付くという。だが、いかに証明すればいいのか?

TEXT BY DANIEL OBERHAUS

WIRED(US)

DOTTEDHIPPO/GETTY IMAGES
DOTTEDHIPPO/GETTY IMAGES

2017年に「オウムアムア(Oumuamua)」が観測史上初の恒星間天体として太陽系内で発見されて以来、この天体は天文学者たちにとって無限に好奇心をそそられる存在となっている。この巨大な隕石の塊は珍しい葉巻型で、くるくると回転しており、彗星または小惑星として容易に分類することができない。

別の惑星系からの訪問者であるオウムアムアには不確かな部分が多く、その起源や組成については諸説が語られている。宇宙塵の塊、宇宙人の宇宙船、恒星によって分解された小さな惑星の残骸など、さまざまな憶測が飛び交ったのだ。

こうしたなかイェール大学のふたりの天体物理学者が、オウムアムアには恒星間氷山の要素があるとする新たな説を5月下旬に打ち出した。プレプリント(査読前論文)として「Astrophysical Journal Letters」への掲載が認められたこの研究は、オウムアムアの起源は巨大な分子雲にあるとしている。

オウムアムアは水素氷山だった?

この幽霊のような物体は巨大な惑星製造機で、その長さは数光年におよぶこともあり、数万個もの星々を形成できるだけのガスを含むとされる。しかし、今回の新たな研究によると、分子雲は見た目や動きがオウムアムアによく似た水素氷山を吐き出す可能性もあるという。

「水素氷山は少し珍しいものかもしれませんが、オウムアムアのあらゆる謎について説明を与えてくれるものなのです」と、論文の執筆者のひとりであるダリル・セリグマンは語る。セリグマンはシカゴ大学の博士研究員になることが決まっており、共著者の天体物理学者グレゴリー・ラフリンはイェール大学で彼の博士課程の指導教官を務めた人物だ。

もしセリグマンとラフリンが正しければ、オウムアムアは観測史上初の恒星間天体であるだけでなく、観測史上初の水素氷山でもあるということになる。

数十万年かかって巨大な氷の塊に?

水素は一般的に気体として存在しており、太陽などの核融合プロセスの燃料源となっている。だが、十分に冷却された場合には、水素は固体となる。この宇宙でそのような相転移を引き起こすほどの低温であることがわかっている場所は、巨大な分子雲の密度の濃い氷のような中心部分だけだ。

「昇華温度が非常に低いので、水素氷に関する研究はほとんどありません」と、セリグマンは語る。昇華温度とは、固体が直接気体に変化する温度のことだ。セリグマンによると、水素が凍るのはおよそ-268℃で、これは絶対零度(-273.15℃)とわずか数度の違いしかないという。

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