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建設現場にも自動化の波、ロボット建機の登場を作業員たちが「歓迎」している理由

 米国では建設現場にも自動化の波が押し寄せている。スタートアップの技術によって、油圧ショベルやブルドーザーが自律型のロボット建機に生まれ変わりつつあるのだ。こうした動きが加速している背景には、深刻化する建設現場の人手不足がある。

TEXT BY TOM SIMONITE

TRANSLATION BY MITSUKO SAEKI

WIRED(US)

スタートアップであるBuilt Roboticsの技術によって、油圧ショヴェルやブルドーザーは、地面を掘るなどの作業を無人でこなす自律型のロボット建機に生まれ変わった。PHOTOGRAPH BY BUILT ROBOTICS
スタートアップであるBuilt Roboticsの技術によって、油圧ショヴェルやブルドーザーは、地面を掘るなどの作業を無人でこなす自律型のロボット建機に生まれ変わった。PHOTOGRAPH BY BUILT ROBOTICS

テキサス州クロスビーに国際機械運転士労働組合(IUOE)が構える研修センターには、ありとあらゆる大型の建設機械が揃っている。だが、この265エーカー(約107万平方メートル)の敷地を2020年3月の初めごろから走り回るようになった1台は、かなりの変わり種だ。

油圧ショベル「キャタピラー 336」の仕様を一部変更したこの建設機械は、ここで研修を受けた作業員がやるはずの仕事を、コンピューターとセンサーを駆使しながら無人でこなしている。例えば、ガスのパイプラインを通したり、風力タービンの基礎をつくったりするための掘削作業などだ。

この新型ロボットショベルは、サンフラシスコを拠点とするスタートアップのBuilt RoboticsとIUEOとの間に結ばれた異例の提携関係から生まれた。Built Roboticsは、ショベルカーやブルドーザーに取り付けて自動運転を可能にするボックス型の装置を販売している。ボックスの中身は、高性能なコンピューター、車体の動きや傾きを感知するセンサー、自律走行車に広く使われている「LiDAR(ライダー)」と呼ばれるレーザースキャナーなどだ。

Built Roboticsの製品は、もともとは建設機械の運転席を無人にする仕様になっている。だがIUEOとしては、組合員たちがテクノロジーと共存しながら働けるよう訓練したいと考えている。IUEOで研修担当ディレクターを務めるクリス・トレムルは、「建設機械を操縦するエンジニアたちは、常にテクノロジーの最先端にいます」と言う。

存在感を増す自律型建機

IUOEは1896年に設立された。ロゴマークに描かれた蒸気圧力計の針は、蒸気エンジンの動作圧である1平方インチ当たり420ポンドという数字を示している。IUOEの研修センターで組合員たちが習うのは、ドローンや小型クレーンといった遠隔操作が可能な機器の操縦法のほか、正確な斜度で地面をならすよう建設車両を誘導するための高精度なGPS機器の使い方などだ。

そしていま、組合員たちは自律型の建設機械を使いこなす必要に迫られていると、トレムルは言う。こうした技術も業界のスタンダードになりつつあるからだ。

トレムルは、次のように説明する。「大勢の人たちが職を失う光景だけは見たくありません。しかし、自律型の建機はすでに存在しており、業界の一角を占めつつあります。わたしたちもそこに居場所を得たいと思っています」。2020年から21年にかけて自律型車両の所有台数をさらに増やしたいIUEOを、Built Roboticsは今後も支援していくという。

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