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Netflixの「ラグナロク」は、北欧神話をベースに“気候変動フィクション”を牽引する作品に仕上がっている:ドラマレビュー

 Netflixの「ラグナロク」は北欧のバイキング神話をベースに、気候危機の時代に生きる若いヒーローたちの物語に仕立てたドラマだ。このノルウェー発のスーパーヒーロー成長譚では、不安定な地球の状況それ自体が重要なキャラクターであるかのように扱われており、映像における「気候変動フィクション」を牽引する存在に仕上がっている。

TEXT BY EMMA GREY ELLIS

TRANSLATION BY AKARI NAKARAI/GALILEO

WIRED(US)

『トワイライト』シリーズにちょっと似た陳腐な面白さもある「ラグナロク」のワンシーン。PHOTOGRAPH BY NETFLIX
『トワイライト』シリーズにちょっと似た陳腐な面白さもある「ラグナロク」のワンシーン。PHOTOGRAPH BY NETFLIX

※映画やドラマのレビュー記事にはネタバレにつながる描写が含まれていることがあります。十分にご注意ください

どこかで聞いたことがあるような設定だ。主人公は体が大きく、ブロンドで、北欧系の戦士である。武器にはハンマーと雷を好む。性格はまごうことなく善良で、弟は根っからのいたずらっ子だ。

一方で悪者のファミリーは、その名もノルウェー語の「巨人」をもじった「ヨーツル」という。ただし、この作品にはマーベルキャラに登場するような、突然変異した「怒れる緑の超人」やマントは出てこない。代わりに登場するのは驚くなかれ、不吉な気候変動問題である。

不器用なティーンエイジャーが主人公

Netflixの新ドラマ「ラグナロク」は、北欧のバイキング神話をマーベルから切り離し、気候危機の時代に生きる若いヒーローたちの物語に仕立てたスーパーヒーロー成長譚だ。主人公は、マグネという不器用な感じのノルウェー人のティーンエイジャーで、母親や弟とともにエッダという町に引っ越してくる。

ある山の陰に位置するこの町は、なにやら病んだ町のようだ。氷河は溶けているし、魚も死んでいて、不吉な兆候があちこちにある。そんなエッダで、ある老女がマグネの額に触れると、彼の瞳が光る。そうこうするうちにマグネは、「善」対「悪」という古代からの争いに巻き込まれ、そこには世界の運命がかかってくる。その間に、高校にも通う。

「ラグナロク」は、ひどく陳腐になるところでは、映画『トワイライト』シリーズのような様相を呈している。邪悪なヨーツル家は町で最も裕福な一家であり、高校では当たり前のように誰もが夢中になっている。ドラマのなかで起こる出来事も標準仕様だ。踏みつけられた自転車の車輪、報われない片思い、勝手に書き換えられた宿題、学校のダンスパーティーにこっそり持ち込まれる酒--といった具合だ。

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