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「銀行」になりたがる米国のテック企業と、立ちはだかる大きな壁

 成長の失速が危ぶまれる米国のテック企業たち。その突破口として熱視線を注いでいるのが、銀行業を含む金融業への参入だ。各企業が自らのビジネスモデルに合った参入方法を模索している一方で、この業界ならではの大きな障壁も立ちはだかってる。

TEXT BY GREGORY BARBER

TRANSLATION BY YASUKO BURGESS/GALILEO

WIRED(US)

ILLUSTRATION BY SAM WHITNEY; MATT ANDERSON PHOTOGRAPHY/GETTY IMAGES
ILLUSTRATION BY SAM WHITNEY; MATT ANDERSON PHOTOGRAPHY/GETTY IMAGES

大手小売チェーンのウォルマートは、2000年代初頭に銀行の設立を目指していたことがある。この動きは珍しいものではなかった。競合である小売チェーンのターゲットも、同様の試みをしたことがある。

だが、ウォルマートの試みは反発を招いた。多くの州が、同社の銀行支店の開店を禁じる法律を通過させた。同社と規制当局との協議も難渋し、連邦議会議員は小売業者の銀行業参入を禁止する法案を作成した。

銀行業に手を伸ばすテック企業たち

これはスケールと信頼の両方が関係した問題だった。つまり、小売り最大手であるウォルマートがさらに新たな業界へと手を伸ばし、おそらくその業界を支配するであろうことを容認するか否かということである。結局、ウォルマートは10年近く粘った末に、銀行の設立を諦めた。

当時ウォルマートで金融サービス部門の責任者を務めていたジェーン・トンプソンは『ニューヨーク・タイムズ』に対し、「再び挑戦する気はありません」と語っている。「銀行の設立はもう考えていないのです。今後は提携企業を通じて新商品を販売していく予定です」

銀行業に触手を伸ばしつつある大手テック企業にとって、ウォルマートの事例は訓話であり、作戦書でもある。

グーグルは19年11月13日、同社が個人向け当座預金(チェッキング・アカウント)サービスを20年に提供開始予定だとする報道の内容を認めた。消費者金融をターゲットにしたテック・ベンチャーの計画が次々に発表されているが、これはその最新事例だ。

Uberが設立した「Uber Money」は、ドライバー(と、おそらく乗客)のための銀行になることを目指している。アップルもまた、クレジットカードという盤石な基盤をもっている。

さらにフェイスブックは19年11月12日になって、決済サービス「Facebook Pay」を発表した。機能は基本的に個人間送金サービス「Venmo」と同じだが、取引データはすべてターゲット広告に利用される(フェイスブックが暗号通貨「Libra」でグローバルな決済ネットワーク構築を目指していることは言うまでもない)。

アマゾンもグーグルと同様に、独自に個人向け当座預金口座の提供を模索中だと伝えられている。

金融業参入で成功した中国のテック企業

こうした流れは理にかなっている。米国において、テック企業の強力な“利益マシン”が失速しつつあるように見えるからだ。

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