PR

WIRED WIRED

「土に還るスパンコール」が、数回しか着ない衣服をサステナブルにする

6カ月で生分解されるスパンコール

いまクラウスは、ウェールズにあるバンガー大学のバイオコンポジッツ・センターの研究者、グレアム・オーモンドロイドとともに、バイオシークイン・シリーズの開発に取り組んでいる。「数回の利用」に耐えたあと、生分解されるスパンコールだ。

これまでのバイオシークインと異なり、このシリーズにはポリ乳酸(PLA)が採用されている。PLAは、植物からつくられる生分解性ポリマーで、生分解性梱包材の材料としても利用される素材だ。

「PLAが初めて使われたときは、人々から食べ物を奪うのではないかと大きな物議を醸しました。いまでは植物性廃棄物からPLAをつくれるようになりました」と、オーモンドロイドは言う。廃棄されたパンからでもPLAを生産できるほどだ。

バイオシークインは堆肥のような微生物環境では分解されるが、クローゼットのように微生物にとって好ましくない環境では長く残る。分解されるまでの期間はスパンコールの厚さや着色料の種類によって異なるが、オーモンドロイドの推定では6カ月ぐらいだという。

服に「安全な」輝きを

このプロジェクトの難所は、いかにスパンコールに明るい色と輝きを与えるかだ。PVCなどのプラスティック製スパンコールでは、アルミニウムが輝きの源になっている。ところが、アルミニウムの精製では大量の二酸化炭素が放出される。

クラウスとオーモンドロイドは、天然由来かつコスト的にも実現可能な材料を見つけることを目指している。いま注目しているのは粘土の利用だ。粘土には生分解性がないため、堆肥には色だけが残ることになる。

PLA製のスパンコールはまだ試作段階にあるが、クラウスは早い段階でファッション業界への提供を始めたいと考えている。PLAをシート状にしたものを生産できれば、PVC製スパンコールと同様に、型を打ち抜く機械を使ってバイオシークインを生産できるようになる。このシンプルな製造工程なら、丸や四角、三角、楕円、涙型など、さまざまな形のバイオシークインを大量につくることが可能だろう。

環境に優しい製品を開発することによって、ファッション性を損なわずに、使い捨てファッションの有害要素をなくしたいとクラウスは考えている。クラウスがつくるバイオシークインは、従来のスパンコールを付けた服とまったく同じように光り輝く。違うのは、華やかな舞台から退いたあと、安全に姿を消すことなのだ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ