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「土に還るスパンコール」が、数回しか着ない衣服をサステナブルにする

 非生分解性で、化学物質による汚染も引き起こすプラスティック製のスパンコール。ドレスなど特別な日にしか着ない服に使われていることも多いが、その環境への影響は大きい。そんななか、デザイナーのレイチェル・クラウスが開発したのは、数回の着用後に生分解される「安全な」スパンコールだ。

TEXT BY ANNA MARKS

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(UK)

PHOTOGRAPH BY ANDREW WOFFINDEN
PHOTOGRAPH BY ANDREW WOFFINDEN

ロンドンを拠点に活動している刺繍やプリントのデザイナー、レイチェル・クラウスは、衣服の装飾に使う新しいスパンコールの開発に取り組んでいる。役目を終えたあと生分解されるそのスパンコールは、名を「バイオシークイン(bio-sequin)」と言う。

スパンコールは通常、ポリ塩化ビニル(PVC)など、石油由来のプラスティック素材からつくられている。ただし、このPVCは生体内に蓄積する化学物質を発生させる。発がん性があり、ホルモンのバランスを崩すとされる有害な化学物質だ。このため、従来のスパンコールの製造や利用は環境汚染につながり、サステナブルではない。

従来のスパンコールは数百年にわたって環境に残り、海や河川、土などの生態系を化学物質で汚染する。「プラスティック製スパンコールはダンスフロアで数時間光り輝いたあと、クローゼットの奥に数年間しまい込まれ、最終的には数百年以上、そのままの状態で埋め立て地に眠ることになります」とクラウスは言う。

2~3回しか着ない服をサステナブルに

クラウスがバイオシークインに関心をもったきっかけは、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの修士時代に取り組んだプロジェクトだった。

クラウスは当時、特別な機会にしか着られず寿命の大半をクローゼットの奥で過ごす服について調べていた。「服を長く着ないまま保管しておく行為はサステナブルではありません。単にゴミをワードローブに保管しているだけです」

クラウスはこの研究を通じて、特別な日に着る服は寿命が短く、特にスパンコールの付いた服は平均で2~3回しか着られていないことを知った。

こうした現象はクラウスにとって、資源とエネルギー、労力の無駄を意味した。そんなスパンコールに代わるものとして彼女は、有機物を原料とし、熱湯で溶けるバイオシークインを開発した。「さまざまな材料や比率、加工法で実験を続けた結果、明るく輝くバイオシークインをつくることができました」と、クラウスは言う。

この「溶けるスパンコール」は、でんぷんと天然染料、水、植物由来のグリセリンでつくられている。硬さや柔軟性は従来のプラスティックと変わらないが、バイオシークインが溶けた液体は堆肥にすることができる。これにより、天然染料と植物由来のグリセリンに含まれる養分が環境に戻される。

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