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海底に敷設された光ファイバーで、断層の発見や地震観測が可能に:米国の研究チームが実証

 海底に敷設された光ファイバーのうち、通信に使われていないものを利用して新たな海底断層を発見することに米国の研究チームが成功した。地震の観測にも利用できることが確認されている。こうした光ファイバーは各地の海底に張り巡らされていることから、未知の断層の発見のみならず、地震や津波を予知する低コストな手法として期待されている。

TEXT BY SOPHIA CHEN

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(US)

LARRY DALE GORDON/GETTY IMAGES
LARRY DALE GORDON/GETTY IMAGES

カリフォルニア大学バークレー校の地球科学者ネイト・リンジーは、モントレー湾の海岸に立つ小屋から海底まで長く延びる光ファイバーケーブルに、赤外線レーザーのパルスを送り込んだ。

何マイルも続くこのケーブルは、10年ほど前からここに敷設されている。海底にある科学機器とのデータ送受信用に使われてきたが、リンジーは新しいことを試みていた。通常であれば接続されているすべてのセンサーをケーブルから切り離し、ファイバー自体を使って海底の振動を検知できるようにしようというのだ。

リンジーの研究チームは、透明なファイバーの中を光がどう進み、どう反射するかを観察することにより、ファイバーが埋設されている土壌の組織や地勢を描写することに成功した。2019年11月29日付で『Science』誌で発表された論文によると、この方法を使ってモントレー湾の海岸線から5マイル(約8km)の位置に、新たな海底断層が見つかったという。

利用されていない光ファイバーが役に立つ

この技術は、通信会社がすでに海底に張り巡らせているが実際には利用していない、いわゆる「ダークファイバー」を利用して、まだ地図化されていない海底部分を監視・描写するために役立つ可能性がある。

陸上での地震や火山活動の検知にファイバーを利用しているドイツ地球科学研究センター(GFZ)の地球科学者フィリップ・ユーセットは、「わたしの知る限り、この技術が海中で利用された最初の例になります」と語る。「この技術を使えば、これまで気づかなかった現象を観察することができるでしょう」

分散型音響センシングと呼ばれるこの技術は、地球科学者たちが海底を監視する一般的な方法とは大きくかけ離れている。従来の水中地震計は、1台が10万ドル(約1,080万円)するものもあるが、1カ所での振動しか検知できない。これに対して長さ12マイル(約20km)ある光ファイバーは、リンジーによると従来の装置10,000台分の役割を果たしたという。

つまり、利用されていない既設ファイバー網の活用は、海底地図を作成する実用的な方法になる可能性がある。例えばGFZのユーセットは、すでにアイスランドとイタリアの通信会社と協力して、各社のファイバーを利用して陸上での地震活動を測定している。

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