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5Gが実装されても、すぐにセキュリティがアップグレードされるとは限らない

 次世代通信サービスである5Gの本格稼働に向け、業界団体やセキュリティ研究者はこの新たな通信システムの穴を探しては埋めている。ただし、そうした精査を経て5Gが実装されたとしても、そのセキュリティ上の恩恵を十分に享受できるようになるまでには時差があるようだ。

TEXT BY LILY HAY NEWMAN

WIRED(US)

RICHARD BAKER/GETTY IMAGES
RICHARD BAKER/GETTY IMAGES

第5世代移動通信(5G)を巡る大騒ぎについては、おそらく耳にしたことがあるだろう。米国ではまだ全国的には実装されていないが、ボストンやシアトル、ダラス、カンザスシティといった各都市では徐々に運用が始まっている。

ワイヤレス通信業界は3Gや4Gの安全性向上に取り組んでいるが、5Gには通信速度の大幅な向上に加え、ユーザーのセキュリティおよびプライバシー保護の向上というメリットもある。だが研究者たちいわく、5Gはこのシステムならでは欠点も抱えているという。

5Gのセキュリティに「改善の余地」

5Gのセキュリティ面での長所はいくつかあるが、その多くはトラッキングやスプーフィング(ハッカーによるなりすまし)の防止に関するものである。

まず5Gでは、悪意あるトラッキングや操作がしにくくなる。より多くのデータを暗号化できるため、傍受されやすいデータの量が減るからだ。また、5Gはこれまでの無線ネットワークよりもソフトウェアやクラウドをベースとしたシステムなので、潜在的な脅威も監視しやすくなる。

さらに5Gの登場によって、通信事業者は「ネットワークスライシング」を行なえるようになる。ネットワークスライシングとは、システムを無数の仮想ネットワークに分割し、各セグメントを個別に管理・カスタマイズする技術である。つまり、デバイスの種類ごとに各セグメントをカスタマイズし、それぞれのデバイスに合ったセキュリティ保護を提供できるかもしれないということだ。

「5Gは通信のセキュリティを大幅に改善するでしょう」と、ノルウェーのテクノロジー分析企業SINTEF Digitalのリサーチ・サイエンティスト、ラビシャンカール・ボルガオンカールは話す。

「識別子の暗号化は非常に有効ですし、ネットワークスライシングはネットワークにおけるパラダイムシフトと言えるでしょう。ただし、ユーザーがさまざまな手段でトラッキングされる可能性は依然として残りますし、5Gソフトウェアの信頼性をいかに担保するかについても疑問はあります。常に改善の余地はあるということです」

実装前に見つかるいくつもの穴

ボルガオンカールら研究者たちは2018年、5Gのセキュリティ上の弱点を数多く発見し、標準化団体のGSMアソシエーション(GSMA)に報告した。その多くは、ユーザーが5G使用時でもさまざまな方法でトラッキングされる可能性があることを示唆するものだった。

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