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ニュージーランドの火山噴火は予測困難だったが、危険の兆候は察知されていた

 ニュージーランドのホワイト島で発生した火山の噴火は、多くの死傷者を出す悲劇となった。この火山については、実は11月の段階でマグマから発生する二酸化硫黄ガスの増加や強い揺れが観測され、警戒レベルが引き上げられていた。それでも科学者たちが噴火を予知できなかったのは、いったいなぜだったのか。

TEXT BY MEGAN MOLTENI

WIRED(US)

PHIL YEO/GETTY IMAGES
PHIL YEO/GETTY IMAGES

ニュージーランドのホワイト島で、火山の想定外の噴火が発生した。マオリ名で「ファカアリ」とも呼ばれるこの人気観光地には、9日(現地時間)の噴火当時に数十人が滞在していた。関係当局は10日午後の時点で死者6名、負傷者30名を確認し、さらに行方不明者8名の生存が絶望視されている。

「この悲劇の大きさに心を痛めています」と、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は10日の議会での演説で語っている。『ニューヨーク・タイムズ』によると、ここ数週間で火山の不安定さが増しているという科学者からの警告があったにもかかわらず、個人が所有するホワイト島への立ち入りがなぜ認められていたのかについて、すでに政府は調査を開始しているという。

予兆なしの噴火

ホワイト島は、ニュージーランドにおいて爆発的な水蒸気噴火が常に起こる可能性のある火山のひとつであり、モニタリングが非常に困難である。厳重な監視が行われてきたホワイト島のデータは、噴火の可能性が高まっていることを示唆していた。ところが、噴火の数日ないし数時間前には、噴火の予兆を示すような傾向は見られていなかった。

今回起きた重大な災害は、最先端のセンサーとビッグデータを処理するアルゴリズムの時代においてさえ、予測不可能な自然の力が存在するという厳然たる事実を示している。

「このような規模の噴火は突如として、実質的になんの前触れもなく起こりうるものです」と、ニュージーランドの政府系研究機関であるGNSサイエンスの上級火山学者グレアム・レナードは説明する。GNSサイエンスは、ニュージーランドの地震や津波、地滑りをはじめとするさまざまな地質災害の監視を担っている。また、同地域の数十カ所の火山に関する災害情報を定期的に発信しており、なかでもホワイト島は最も活動が活発な火山だとされている。

引き上げられていた警戒レベル

ニュージーランド本土から船でプレンティ湾を渡って80分ほどの場所に位置するホワイト島は、フジツボのように隆起している。毎年13,000人以上の観光客が訪れ、泥間欠泉や蹄鉄型のクレーターの硫黄孔の前や、巨大な海底火山の先端部で自撮りするなどしてきた。

マグマだまりは表層に近いため、その上部の浅い帯水層に熱とガスを送り込み、岩に閉じ込められた水を加熱し、周囲の堆積物に圧力をかけている。地震やマグマ深部からのガスの急激な噴出、帯水層の水深の変化といった外部からの衝撃により、蓄積された圧力が多くの場合は暴力的なかたちで放出される。

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