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魚の幼生はマイクロプラスティックを餌と間違える…それを人間が食物連鎖を通じて摂取する:研究結果

 さまざまな海洋生物の食物源である、孵化したばかりの微小な仔魚。海水の表面に生じるスリックと呼ばれる膜のような部分に集まるが、このスリックはマイクロプラスティックの密度が高く、仔魚が餌と間違えて食べてしまうことが研究結果から明らかになった。海の食物連鎖の末端にいる生物が積極的にマイクロプラスティックを蓄積しているということは、つまり最終的には人間が摂取するなど、生態系に大きな影響を及ぼしている可能性がある。

TEXT BY MATT SIMON

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(US)

MATT PORTEOUS/GETTY IMAGES
MATT PORTEOUS/GETTY IMAGES

ハワイのあちこちにある有名なビーチの沖は、複雑な生態系によって結ばれた生物たちで満ち溢れている。サメやウミガメ、海鳥などの生物は、孵化したばかりの微小な仔魚(しぎょ、魚の幼生)を餌にしている。これらの生物は、膨大な数の仔魚たちによって支えられているのだ。

孵化してから数週間、仔魚たちはまだ自力で泳ぎ回る力がない。このため海流に身を任せ、最終的には海水の表面に生じるスリックと呼ばれる膜のような部分に数百万匹という単位で集まることになる。ところが、複数の海流が合流して形成される帯状や斑紋状のスリックでは、仔魚たちがマイクロプラスティックという有害な敵に取り囲まれ、それを餌と間違える現象が増えている。

『Proceedings of the National Academy of Sciences』に2019年11月11日付で発表された論文によると、こうしたスリックでは近くの海面付近の水と比較してマイクロプラスティックの密度が126倍で、太平洋ごみベルトと比べても8倍であることが示されている。

仔魚と食物連鎖の関係

スリックに含まれるマイクロプラスティック片と仔魚の数は、7対1でマイクロプラスティックのほうが多い。仔魚を解剖したところ、その多くの胃の中にマイクロプラスティックが存在することが明らかになった。この結果は、これらの生物種だけでなく、食物連鎖網の全体にとっても懸念すべきものだ。

論文の共同筆頭執筆者で米海洋大気庁(NOAA)の海洋学者ジャミソン・ゴーヴは、「海鳥たちは仔魚を餌にしていますし、成魚も仔魚を餌にしています。仔魚は主要な食物源なのです」と語る。「つまり、この研究結果はプラスティックがどのように環境にばら撒かれ、どれだけ早く食物連鎖の上位に到達する可能性があるのかを明確に示唆しています」

ゴーヴのチームが数百匹の仔魚を解剖したところ、海面に浮かぶ滑らかなリボンのように見えるスリックから採取した標本の8.6パーセントに、マイクロプラスティックが含まれていることがわかった。これは近くにあるスリックではない海面付近の水にいる仔魚の2倍以上である。10パーセント未満という数字は多いと思えないかもしれないが、スリックの中に小さな仔魚が膨大にいることを考えると、この割合でも汚染された生物の数は相当なものになる。

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