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投稿日時も現在時刻もない、徹底した「時間の排除」が生んだTikTokの魅力と罠

 世界中で人気の動画共有アプリ「TikTok」では、ユーザーに動画投稿日時はおろか、現在時刻すらも知らせることはない。ユーザーが時を忘れて動画に没頭することでエンゲージメントを高める一方で、クリエイターたちにとってはコンテンツの盗用が深刻化する一因になっている。

TEXT BY LOUISE MATSAKIS

TRANSLATION BY YASUKO BURGESS/GALILEO

WIRED(US)

中国のバイトダンス(字節跳動)が運営する動画共有アプリ「TikTok」では、時間や日付の表示をほとんど目にすることがない。そうしたデザインは、TikTokでの体験にさまざまな影響を与えている。TOM SIBLEY/GETTY IMAGES
中国のバイトダンス(字節跳動)が運営する動画共有アプリ「TikTok」では、時間や日付の表示をほとんど目にすることがない。そうしたデザインは、TikTokでの体験にさまざまな影響を与えている。TOM SIBLEY/GETTY IMAGES

絶大な人気を誇る動画共有アプリ「TikTok」。15秒間のビデオがひたすら再生されるこのアプリは、文化的に大きな影響力をもっている。ラッパーLil Nas X(リル・ナズ・X)の「Old Town Road」をビルボードチャートの1位に押し上げたのも、VSCOガール(写真加工アプリ「VSCO」などを多用してSNS映えを競うティーンたちのこと)のような新たなサブカルチャーを生んだのもTikTokだ。

TikTokは、いまや仕事で息抜きをするときの定番となっている。しかい、全世界で14億回もダウンロードされているTikTokには、あまり知られていないシンプルな側面がある。それはTikTokが時間にとらわれないアプリであるということだ。

ほかのソーシャルメディアプラットフォームとは異なり、TikTokは動画が投稿された日付や、ユーザーのアカウント開設時期といった情報を一切提供していない。アプリの画面を縦にスワイプすると、アルゴリズムが選んだレコメンド動画が次々に現れるが、どの動画であれ、投稿された日時を知る由はない。

ユーザーのプロフィールをタップすると、投稿動画が新しいものから順に並んでいるが、わかるのは再生回数のみだ。FacebookやTwitterでは、最も新しくアップロードされたコンテンツが優先的に表示されるようになっている。しかし、TikTokは時計の針が動く「チクタク」という音を名前の由来にしておきながら、「時間」そのものを除外している。そして、その方針はプラットフォームの隅から隅まで徹底されているのだ。

「時間」の概念を取り払うことで生まれる可能性

この方針によって得られる最も顕著な副産物といえば、それは数週間前どころか、数カ月前に投稿された動画であっても(インターネットで言えば大昔だ)、不意に拡散する可能性があることだ。なにしろTikTokでは、見る側は動画の古さがまったくわからないのだから。

「数週間前に投稿された古いコンテンツでも楽しんでもらえるのは素晴らしいことです。それと同時に、最新コンテンツではなく、数カ月前の動画を見ることになるのは腹立たしくもあります」と話すのは、TikTokで影響力をもつ投稿者「ティックトッカー」のひとりで、フォロワー数20万人を誇るモリア・ブライソン(@mannequindude)だ。「コンテンツ作成の妨げになるわけではありませんが、動画の投稿日時がわかりやすかったらいいのに、と思います」

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