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あの失敗した「海洋清掃マシン」が新たな舞台で復活。東南アジアの河川でプラスティックごみを回収へ

「地球上のプラスティックごみの80パーセントは、1,000あまりの河川から排出されています」と、オーシャン・クリーンアップの主任研究員ローラン・ルブルトンは言う。「海へのプラスティックごみの排出を大幅に減らしたいのであれば、こうした河川でごみの回収に取り組まなければなりません」

問題解決には「上流」での対策が効果的

河川から大量のプラスティックが排出されていることはわかっていても、そのプラスティックが最終的に流れつく場所を特定するのは困難を極める。オーシャン・クリーンアップの推定によると、同団体が巨大なチューブで清掃しようとしたはるか沖合の還流には、海洋プラスティックのほんの小さなかけらが漂っている。

海岸から流出したプラスティックの0.06パーセントは還流をくぐり抜けるものとみられる。それ以外のプラスティックは絶え間なく循環する海流にとらえられて海岸へ押し戻されたのち、沖へ流されるようだ。

海洋プラスティック問題に取り組むNPO「The 5 Gyres Institute」を率いる科学者で、この問題を研究しているマーカス・エリクセンは、「海岸で毎週のように清掃活動を実施するほうが、(海洋で)ごみの回収事業を6~7年間かけて実施するよりも、ずっと多くのごみを集められるはずです」と語る。「何らかの問題を解決するには、一般的には原因の上流か下流で対策を講じることになります。しかし、下流側に行けば行くほど、問題解決に必要なコストが膨らみ続けるのです」

人々の行動を変えられるか

河川の上流で海洋プラスティック問題を解決する利点は資金面以外にもある。それはさまざまな人々にこの問題をアピールできることだ。ミスター・トラッシュ・ホイールにあの大きな目玉がついているのは、ごみを見るためでも、ボルティモア港をパックマンのように動き回ってごみをすくい上げるためでもない。

「大きな目玉をつけたところ、ミスター・トラッシュ・ホイールの作業は人々に行動の変化を促す活動に変わりました」と、ヘルシー・ハーバー・イニシアチヴのリンドキストは説明する。「わたしたちはごみ回収船の所有にとどまらず、この種の船によって人々の行動を変えていくことがとても重要だと考えています。水路からひっきりなしにごみを拾い続けるだけの活動ではなくなりますから」

オーシャン・クリーンアップの海洋清掃マシンについてどのような思いを抱くにせよ、この装置のおかげで海洋プラスティック汚染についてわずか数年で大きな関心が集まった事実は否定しがたい。そして同団体の取り組みが河川の上流に向かえば、海洋プラスティック汚染は身近な問題として強く意識されるようになるだろう。

「人類が緊急事態に陥っていること、プラスティックごみが急速に増加している現状を、皆さんに認識してほしいのです」と、オーシャン・クリーンアップのルブルトンは言う。「川に船を浮かべたからといってすべてが解決するわけではありませんが、川の上流でプラスティックを回収したり、人々の行動を変化させようとしたりする際に役立つはずです」

大きな目玉はオプションだが、インターセプターにもぜひつけたほうがいい。

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