PR

WIRED WIRED

空港の騒音を減らすには、飛行機の「着陸方法」を改善する:スイスで始まったテストの成果は?

 空港の騒音問題を軽減しようと、飛行機の着陸方法を改善する実験をドイツとスイスの研究機関が開始した。パイロットに着陸時の経路や操作のタイミングを細かく指示することで、騒音を大幅に低減できることが期待できるのだという。

TEXT BY ALEX DAVIES

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(US)

飛行機が着陸するときに騒音が少なくなる着陸手法を探る試験がチューリッヒ空港で実施された。ANDREAS HAAS/GETTY IMAGES
飛行機が着陸するときに騒音が少なくなる着陸手法を探る試験がチューリッヒ空港で実施された。ANDREAS HAAS/GETTY IMAGES

飛行機のコックピットでの仕事に個性を発揮できる余地は、それほどない。航空会社のパイロットたちは同じユニフォームを身に着け、同じ手順に従い、話す言葉さえ同じだ。そして今度は、ドイツとスイスの研究チームが、同じように着陸することを望んでいる。

その着陸方法とは、フラップを出してランディングギア(着陸装置)を下げる操作を、できるだけ遅くするための指示に従うというものだ。そのほうが安全だったり速かったりするという理由ではない。音が静かになるという理由である。

すでに騒音低減の大きな実績も

ドイツ航空宇宙センター(DLR)は2019年9月初旬の5日間、センターが所有する「エアバスA320」をチューリッヒ空港の「滑走路14」に計約90回着陸させるよう、25人のパイロットに依頼した。このエアバスA320は、一連のテスト装置を搭載できるように改造されたもので、今回の調査用に使用する電子ディスプレイも追加されていた。

このディスプレイには、巡航高度から1,000フィート(約300m)まで可能な限り小さな騒音で降下するために、飛行機の装備品をいつどのように設定するか、パイロットに厳密な指示が表示される。さらに、パイロットがエンジンを使う時間も制限されるため、燃料消費が減少する。

研究チームは、あらゆる着陸を静かにさせようと考えているわけではない。望んでいるのは、特に騒音が大きい操縦をなくすことだ。今回のプロジェクトでドイツ航空宇宙センターと協力しているスイス連邦材料試験研究所の音響研究所を運営するジャン=マルク・ヴンデリは、「多くのパイロットはすでに非常にうまくやっています」と語る。

フランクフルトで16年に実施された同様のテストで、ヴンデリのチームは最大40デシベルの音量低下を記録している。これは大まかに言うと、削岩機がヘアドライヤーになったほどの音の違いになる。

9月に実施されたテストの結果をヴンデリが入手するのは20年の春になるが、飛行機の騒音を抑えるためであれば、空港はどのような方法でも歓迎すると思われる。住民にとって飛行機の離着陸音は、当然ながら不愉快なものだ。特に、その音によって目が覚めてしまったり、寝かしつけたばかりの赤ちゃんが起きてしまったりすると腹が立つ。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ