PR

WIRED WIRED

ルービックキューブを片手で解くロボットハンドが登場。それでも「人間並みに器用」になる道のりは遠い

 人工知能(AI)を研究する「OpenAI」が、人間の手のようなロボットハンドでルービックキューブの解法を学習するシステムを披露した。この「Dactyl」と呼ばれるロボットには「人間レベルの器用さ」があるというが、ロボットやAIの研究者たちからは異論も出ている。

PHOTOGRAPH BY OPENAI
PHOTOGRAPH BY OPENAI

TEXT BY WILL KNIGHT

WIRED(US)

もしルービックキューブをさっと解ける人がいたなら、その人は指先が器用でパズルが得意だと考えていいだろう。だが、相手がロボットだとしたら、必ずしもそうとは言えないかもしれない。

人工知能(AI)を研究する「OpenAI」のOpenAIが、このほど人間の片手のようなロボットハンドでルービックキューブの解法を学習するシステムを披露した。OpenAIはイーロン・マスクやサム・アルトマンらが立ち上げた非営利団体である。

OpenAIは、この「Dactyl」と呼ばれるロボットには「人間レベルの器用さ」があると主張している。この機械がキューブをクルクルと難なく回転させる様子を撮影した映像を見ると、確かにその通りであるようにも思える。この動画は、ロボットによる操作の革命がようやく到来したことを示すものとして、一部のソーシャルメディアで話題になった。

見落としてはならない重大な点

ただ実際のところ、わたしたち人間にとってあたり前と思えるような操作をロボットができるようになるまでには、まだしばらく時間がかかるかもしれない。

Dactylのデモには見落としてはならない重大な点がある。例えば、このロボットはテストの際に10回中8回もキューブを落下させている。これでは超人的な器用さ、あるいは人間レベルの器用さがある証拠とは、とても言えない。また、キューブの操作方法を学ぶためには、シミュレーションによる訓練が1万年分も必要だった。

「まったくの“誇大広告”である、とまで言いません」と、カリフォルニア大学バークレー校のロボット研究者ケン・ゴールドバーグは言う。彼も実験の繰り返しを通じた強化学習によって、AIに“学習”させている。「人々は今回の映像を見て、『なんてことだ、今度はカードをシャッフルしたりするのか』なんて考えたりするでしょうね。でも実際のところ、そうではないのです」

制約のある器用さ

派手なデモンストレーションは、いまやAIビジネスの標準となっている。企業や大学は、一般人の想像力をかきたてるような印象的なデモを実施したほうが、学術論文やプレスリリースを公表したりするよりも、ニュースになりやすいことを知っているからだ。これは、研究のための人材や顧客、資金の獲得のために激しい競争を繰り広げている企業にとっては、特に重要である。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ