PR

WIRED WIRED

中国が「世界のスマートフォン工場」の座を明け渡す日がやってくる

しかしデデューによると、中国から移転する理由はコストだけではない。人件費と生産コストを合わせても、スマートフォンのコスト全体の2パーセントにも満たないのだという。「中国の価値は、生産とエンジニアリングのスキルセット、そして行動が素早く、市場状況の変化に即応できるサプライヤーたちのネットワークにアクセスできることです」

中国の工場は地元メーカー向けでフル稼働

中国に対する懸念には、長年の問題である著作権違反行為や偽造のリスクもある。「さらに現地ブランドが台頭していることで、生産能力をいくらか圧迫している可能性があります」と、ミラネージは補足する。

複数の電子機器メーカーに製品を供給するサプライヤーは、たいてい大がかりな偽造は回避している。例えば、アップルのデバイスを生産してきたフォックスコンは、生産に関する情報を厳しく管理してきた。

しかし、中国のスマートフォンメーカーの台頭は、もともと競争の激しい市場を、さらに困難な市場に変えているようだ。中国の工場は、中国メーカーのスマートフォンを生産する工場に変わる可能性がある。調査会社Canalysのデータによると、中国では4大スマートフォンメーカーであるファーウェイ(華為技術)、VIVO(維沃移動通信)、OPPO(広東欧珀移動通信)、シャオミ(小米科技)が、国内出荷数の約85パーセントを占めている。

中国国内のスマートフォン市場は13年以来、世界最大規模だ。中国の工場は自国の消費者の需要を満たすことに忙しく、世界の需要を満たす余裕がない。そのうえ、ドナルド・トランプの怒号もあって、そうした意欲も小さくなっている。

ベトナムがメーカーにとって魅力的な国に

その結果、スマートフォンメーカー各社は南のベトナムに生産を移している。この動きはしばらく前から続いてきた。数年前にはすでに、サムスンのスマートフォンに「ベトナム製」の文字が見られるようになった。

サムスンは14年、18億ポンド(約2,445億円)をかけてベトナムに新工場を建設した。サムスンは中国唯一の工場を広東省恵州市にもっているが、19年2月に従業員の新規採用をやめ、すでに半数の従業員を解雇している。

ベトナムではサムスンの存在感が増している。現在、ベトナムの輸出額の実に4分の1がサムスン製品によるものだ。『エコノミスト』誌によると、ベトナムの人件費は中国の半分であり、労働力の平均年齢も7歳若い。

こうした理由から、多くのメーカーがベトナム(あるいは別の国)を新たな生産拠点にしている。LGは4月、地元の韓国にあった生産拠点をベトナムに移転した。ソニーも3月に北京を離れ、タイの工場に移った。

スマートフォンメーカーがベトナムに移るたびに、ベトナムはほかのメーカーにとって魅力的な国になっていく。「多くの点で、初期の中国が魅力的だったのと同じ理由です」と、デデューは語る。「最も魅力的なのが人件費で、さらに柔軟性とスキルセットもありました。ベトナムも徐々に必要なスキルセットを獲得しています」

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ