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マイクロプラスティックは「人新世の遺物」として未来に残り続ける:研究結果

今回の論文の筆頭執筆者であり、スクリップス海洋研究所の海洋学者であるジェニファー・ブランドンは、「マイクロファイバーによる着実な“攻撃”が、海底まで到達しているのです」と説明する。「プランクトンのような微少な生物にとってマイクロファイバーは、わたしたちにとってのロープのようなものです。絡みついたり、手足を締め付けて動けなくしたり、内臓の中で引っかかったりするのです」

白いマイクロプラスティックの問題

さらに、使い捨てレジ袋のような比較的大きなプラスティックは、海に流れ出て日光を浴びると、非常に小さな破片となって水のなかで渦を巻くように漂う。海に棲む生物たちが、こうした破片を摂取してしまうのは時間の問題だ。

例えば、オタマボヤと呼ばれる体長5mm以下の海産プランクトンの例を挙げよう。この生物はハウスとも呼ばれる粘液の網を使って微少な獲物を捕まえているが、その網がマイクロプラスティックで詰まると、脱ぎ捨てて交換する。脱ぎ捨てられた網は詰まったプラスティックとともに海底に沈む。これはマイクロプラスティックが水中を上下に移動して泥の中にたまっていくひとつの経路にすぎない。

次に、色の問題がある。これはプラスティックによる汚染の研究で見落とされがちな問題だ。マイクロプラスティックには膨大な数の色があるにもかかわらず、その破片のほとんどは白であることが、ブランドンのチームによって判明したのだ。

海に棲む多くの捕食生物は、色に基づいて獲物を選ぶ。このため白いマイクロプラスティックの破片は、例えば腹に卵を抱えた透明なプランクトンのような生物と間違えられる可能性がある。「これは実際に起きていることですが、それについて十分な議論が行われていないのは確かです」とブランドンは言う。

2020年までにプラスティック生産量は倍増へ

マイクロプラスティックによる汚染で注意しなければならないのは、その汚染物質が生物や生態系に対して、どのような影響を与える可能性があるのかほとんどわかっていない点だ。

海のなかで対照研究を実施するのは、実質的に不可能といえる(ただし近いうちにカナダで、離れた場所にある複数の湖を使って実験が行われる可能性がある)。さらに、研究所での実験は、不自然なレベルまで濃度を高めたプラスティックに細菌などの生物を接触させて、生理反応を起こさせるというものだ。

今回の調査が行われたカリフォルニア州沿岸のマイクロプラスティック濃度は、世界のほかの地域と比較するとかなり低い可能性がある。これにより、マイクロプラスティックが生物に与える影響を観察するのはさらに難しくなる。

生態毒物学が専門で、マイクロプラスティックを研究しているミシガン大学のアレン・バートンは、次のように指摘する。「もし同様の研究を中国の黄海に流れ込む揚子江や黄河といった大きな川の河口の外側で実施したら、おそらく濃度は非常に高いもので、影響の大きさが明確になったと思います」

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