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マイクロプラスティックは「人新世の遺物」として未来に残り続ける:研究結果

 海岸沿いの都市の発展に伴って海に流れ込むマイクロプラスティックの量が増え、生態系全体を汚染していく--。そんな研究結果が、このほど米国の研究チームによって明らかにされた。プラスティックが簡単には分解されないことを考えれば、人類が環境への干渉を増していった「人新世」を示すマーカーとして作用するとも考えられている。

TEXT BY MATT SIMON

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

WIRED(US)

YULI SEPERI/BARCROFT MEDIA/GETTY IMAGES
YULI SEPERI/BARCROFT MEDIA/GETTY IMAGES

わたしたちが「人新世」、つまり人類が地球に与える影響によって支配される時代に入ったことを確認するために、その証拠を遠くまで探しに行く必要はない。山や川の位置を変える、気候を混乱させる、地質記録に核物質の痕跡を残すといったことが、それを十分に表しているからだ。

これらすべてに加えて、マイクロプラスティックによる汚染もある。マイクロプラスティックは海に流れ出し、遠く離れた北極の隅々にまで入り込んで拡大を続ける脅威になっている。2019年9月4日付けの『Science Advances』誌オンライン版では、スクリップス海洋研究所の研究チームが、マイクロプラスティックの破片によって地球がどのように汚染されているかを報告している。

堆積していた破片の3分の2は合成繊維

研究チームは、南カリフォルニアの沿岸近くで堆積物のコア試料を採取することにより、プラスティック濃度が年を追うごとにどのように変化してきたかを観察した。この結果を調べたところ、増加はかなり急激だ。1940年代にプラスティックの生産が本格的に始まって以来、マイクロプラスティックの堆積速度は15年ごとに倍増していたのである。

この数字は、カリフォルニアにおけるプラスティック生産の増加と沿岸地域住民の増加と相関関係にあり、悩ましい結論が示されている。海岸沿いの都市が発展するにつれ、海に流れ込むマイクロプラスティックの量が増え、生態系全体を汚染するというのだ。

堆積物のサンプルは、ボックスコアと呼ばれる装置を使って採取された。これは巨大なクッキーの抜き型のようなもので、海底に長期間かけた堆積した層を、そのまま切り出すことができる。研究チームは、持ち帰った試料を層ごとに乾燥させ、フィルターを通して破片を分離した。顕微鏡を使って破片の数を目で数え、化学実験でプラスティックの種類を特定したという。

興味深いことに、見つかった破片の3分の2は繊維だった。これらの多くは、ヨガパンツのような洗濯で繊維が抜け落ちる合成繊維の衣服から出たものだ。これらが含まれる水は下水処理場で処理されてから海に放出されるが、マイクロファイバーをすべて取り除くための設備は整っていない。

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