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フェイスブックが「脳信号を読み取るリストバンド」の開発企業を買収した真意

文字入力やVR・ARでの活用

CTRL-labsは、オキュラスが提供する代替現実のインターフェイスとして機能できるかもしれない。あるいは、フェイスブックのほかのさらに風変わりな神経科学実験のよきパートナーになる可能性もあるだろう。

例えば、何を次に入力したいか考えているユーザーの頭の中を読み、脳から直接文字を入力するといった取り組みもそのひとつだ。これはもともと、フェイスブックの研究所「Building 8」で行なわれていたプロジェクトである。なお、米国防高等研究計画局(DARPA)の元責任者で、同研究所を率いていたレジーナ・デューガンは、2017年に突如フェイスブックを離れている。

戦略的に見れば、今回の買収はフェイスブックにとってもCTRL-labsにとっても理にかなっている。これまで6,700万ドル(約72億円)の資金を調達しているCTRL-Labは、開発をスピードアップするためのリソースを手に入れられる。同社はまだ製品をリリースしていないが、開発者向けのウェイティングリストは公開済みだ。

フェイスブック長年の夢

2014年のオキュラス買収によって誕生したフェイスブックのAR・VR部門は、過去に厳しい道のりを強いられることもあった。しかし、最近はマーク・ザッカーバーグの忠実な部下として知られる“ボズ”ことボスワースの手で人事異動とレベルアップが行なわれた。

ボスワース自身の統括範囲も拡大し、現在は「Oculus Quest」からスマートディスプレイの「Portal」まで、あらゆるハードウェアの開発を指揮している。

だが同部門の長いこと希望をかけてきたプロジェクトは、本社のあるメンローパークから1,600km離れたシアトルの「フェイスブック・リアリティ・ラボ(FRL)」で進められている。

マイクロソフトやValveを経てFRLのチーフサイエンティストとなったマイケル・エイブラッシュは、「VRを次の一大プラットフォームに」というザッカーバーグの夢を叶えるべく、この研究所にVRやAR分野を開拓すべく精鋭の研究者たちを集めている。いつの日か、同研究所が取り組んでいるという複合現実(MR)での画像操作に、CTRL-labsの技術が使われる日もくるかもしれない。

競合の買収を続けるフェイスブック

ここ最近のフェイスブックの買収は、どれも厳しく監視されることになる。フェイスブックは買収を通じて、インスタグラムやワッツアップなど、競合となりうる企業を“鎮圧”しているのではないかと言われているからだ。

CTRL-labsの買収はそのパターンから外れているように思えるが、フェイスブックが何か企んでいないか政府が調査を行なう可能性は高い。バンドがただ脳の信号を受け取っているだけだとしてもだ。

2017年の取材の際に、CTRL-labsのリアドンはこう話していた。「今後3年か4年のうちに、われわれのデバイスが数百万人に使われるようになればと思っています。販売するのがわれわれだろうと、パートナーであろうと」

フェイスブックによる買収後、リアドンはCTRL-labsのCEOではなくなるが、数十億人のユーザーをもつ企業のために技術開発を続けていくことになる。もし辞めたくなったときは、考えるだけで辞表を書けることだろう。

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