PR

WIRED WIRED

生物を危険から守る「闘争・逃走反応」は、骨から放出される物質が引き起こしていた:研究結果

マウスでの実験の結果わかったこと

研究チームは、マウスを使ってこれを実験した。マウスが本能的に恐れる捕食動物(キツネ)の尿や、電気ショックなどのストレスを与えて、生理学的変化および血液を分析したのだ。

すると数分以内に、血中オステオカルシン濃度が急上昇することが明らかになった。対照的に、マウスの天敵ではない動物(ウサギ)の尿では、オステオカルシン濃度に変化はみられなかった。

実験ではオステオカルシン濃度が上昇すると、マウスの心拍数、体温、および血糖値が上昇し、急性ストレス反応である「闘争・逃走反応」が起こった。興味深いことに、アドレナリンを生成する副腎を切除したマウスや副腎不全患者でも、急性ストレス反応は“正常に”機能した。これとは対照的に、オステオカルシンやその受容体がつくられないように遺伝子操作されたマウスは、これらのストレスにおいて無関心だったという。

研究チームは最終的に、恐怖に晒されていないマウスに大量のオステオカルシンを注射することで、急性ストレス反応を促すことに成功している。つまり、骨から放出されるオステオカルシンこそが、危険を知覚したときに起こる「闘争・逃走反応」に関与しているという証拠というわけだ。

ちなみに人間の場合はめったに捕食動物に遭遇したりはしないが、人前での講演や、反対尋問のストレスに晒されると、オステオカルシン濃度が急増することがわかっている。

近年の研究では、動物の細胞内で単一の遺伝子を不活性化させるだけで、多臓器間の関係性が特定され始めている。「骨」はその一例にすぎず、筋肉や心臓もほかの臓器に影響を及ぼすのだという。

この研究では、脊椎動物の骨はストレスを生み出す器官であり、オステオカルシンはストレスホルモンであることが提示された。「ほかにも多くの新たな臓器間シグナルが発見されることは間違いないでしょう」と、研究チームは締めくくっている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ