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電動キックスケーターは、もっと安全な乗り物になる シェアリング企業を買収したフォードの挑戦

Spinは今回の実験開始から1年後に、キックスケーターを構内から撤収する。その後、VTTIの研究員によって回収したデータが綿密に分析される予定だ。同社が目指すのは、市街地や大学の構内で多くの人にキックスケーターを安全に利用してもらうために、何らかの指針をつくることにある。

事故の原因と対策を洗い出す

バージニア工科大学とSpinの関係者によると、問題は乗り手の安全をどうやって確保すべきか誰にもわからないことだという。ロサンジェルスやオースティンをはじめ、各地の病院から集めたデータによると、キックスケーター利用時の負傷事故は確かに発生している。死亡例もいくつかある。

電動キックスケーターのスピードは最高時速20マイル(同約32km)近くにもなるが、だからといって安全な乗り物ではないから事故が起きるのかといえば、それは定かでない。道路が電動キックスケーターや自転車に適したつくりではないからかもしれない。あるいは、その両方が理由なのかもしれないし、ほかの要素を加えたあらゆることが原因となって事故が起きているのかもしれない。

病院から提供されるキックスケーター関連の負傷事例のデータは十分ではないうえに、回収してとりまとめる手間がかかる。そこでバージニア工科大学の研究者たちは、学生や職員、教員、そのほか誰でも、実際にキックスケーターに乗ってもらうことで解決策を見つけようと考えたのだ。

Spinとバージニア工科大学によると、利用者には走行データを研究目的で使用してもいいか事前に確認するという。ちなみに利用者は、学内で人を対象とする調査研究を監督する倫理審査委員会に協力したことのある人たちである。

研究員たちはデータに目を通し、衝突事故やふらつき、急ブレーキなどの目立った事例を拾い出す。まるでビデオの録画テープを何度も巻き戻す昔ながらのやり方のように、センサーに記録されたデータを丹念に読み込み、映像に目を凝らして、どこに問題があったのかを突きとめるのだ。

「われわれが注目しているのは、既存のインフラがいまの状態のままだと、人々の安全と乗り物の利用にどんな影響が及ぶのかという点にあります」と、VTTIの技術推進センター所長で調査責任者として今回のプロジェクトに参加しているマイク・モレンハウアーは言う。「一つひとつの衝突事故の原因は何でしょう。どんな対策が可能でしょうか?」

採算のとれるビジネスとしての可能性

調査の結果次第で、Spinはキックスケーターのハードウェアの変更を余儀なくされるかもしれないと、同社の対外方針部門シニアマネージャーのテッド・スウィーニーは指摘する。乗り手に対する教育活動のアプローチが変わるか、キックスケーターの無謀運転や危険運転を処罰する新たな手段がとられるようになるかもしれない。

だからといって、Spinや競合各社が、キックスケーターを公道で走らせてきた2年に及ぶ月日から何も学んでいない、という意味ではない。

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