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電動キックスケーターは、もっと安全な乗り物になる シェアリング企業を買収したフォードの挑戦

 電動キックスケーターを、米国のある大学に導入するプロジェクトが静かに始まろうとしている。フォード傘下に入ったシェアリング企業のSpinが、サービス提供と並行して18カ月の調査を実施するのだ。その狙いは、大量のセンサーを取り付けた電動キックスケーターから得たデータや事故の事例などを解析し、安全な利用に必要な指針をつくる点にある。フォードは都市におけるモビリティのひとつとして、電動キックスケーターをもっと安全かつ便利な存在にしていけるのか。

TEXT BY AARIAN MARSHALL

TRANSLATION BY MITSUKO SAEKI

フォードとヴァージニア工科大学の交通研究チームによるセンサー付きキックスケーターの大量走行実験は、乗る人の安全を守るためのヒントを与えてくれるはずだ。MARY BETH KEGLEY/VIRGINIA TECH TRANSPORTATION INSTITUTE/ZUMA PRESS/AFLO
フォードとヴァージニア工科大学の交通研究チームによるセンサー付きキックスケーターの大量走行実験は、乗る人の安全を守るためのヒントを与えてくれるはずだ。MARY BETH KEGLEY/VIRGINIA TECH TRANSPORTATION INSTITUTE/ZUMA PRESS/AFLO

フォードとバージニア工科大学の交通研究チームによるセンサー付きキックスケーターの大量走行実験は、乗る人の安全を守るためのヒントを与えてくれるはずだ。MARY BETH KEGLEY/VIRGINIA TECH TRANSPORTATION INSTITUTE/ZUMA PRESS/AFLO

ジェリ・ベイカーのもとに問い合わせの電話が相次ぐようになったのは、2018年の春ごろだった。すでにBirdやLime、Spinといった電動キックスケーターのシェアリングサービスが世界各地の街角でビジネスを展開していたが、各社とも今度は大学のキャンパスへとサービスを拡大したいと考えていた。学内の駐車場と交通担当部門のディレクターとしてベイカーが勤務するバージニア工科大学も、候補のひとつだったのだ。

ベイカーによると、電話してきた企業は9社から10社にのぼるという。だが同大学は、最終的にサンフランシスコのSpinを選んだ。試乗用キックスケーターを携えた営業担当者が、大学のあるバージニア州ブラックスバーグまで足を運ぶという熱意を見せた会社である。

その後、モビリティ関連事業を強化しているフォードの傘下に入ったSpinが、ようやくバージニア工科大学の構内でサービスを開始すると発表した。

大学内での詳細なデータを取得

サービスといっても、学生たちにキックスケーターに乗ってもらうだけではない。これは18カ月にわたる調査プロジェクトでもあるのだ。

2019年8月最後の週、Spinは同大学の4平方マイル(約10.4平方キロメートル)の敷地に300台のキックスケーターを配置。そのうち50台に、ジャイロスコープ、加速度計、前方に向けたカメラといったセンサー機器を搭載する。いずれもこの二輪のキックスケーターが構内を駆け抜ける様子を詳細に記録するためのものだ。さらに加えて20台以上のカメラをキャンパスの各所に設置し、普段通りの環境での学生たちの運転ぶりを観察する。

Spinと共同でこのプロジェクトを実施するフォードは、以前からバージニア工科大学の交通研究所(VTTI)と提携関係を結んで研究活動を続けている。男性をクルマのシートに“変装”させて座らせた実験も共同プロジェクトのひとつだ。

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