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マイクロプラスティックは「北極圏の雪」にまで蓄積していた。でも、どこから飛んできたのか?

 直径5mm未満のマイクロプラスティックが北極の雪にも堆積していたことが、研究者たちの現地調査から明らかになった。これらの微粒子は、いったいどこから、どうやって地球の北の果てまで飛んできたのか? その問いへの答えを探すには、実はマイクロプラスティックについて未知のことがあまりにも多いのだという。

TEXT BY MATT SIMON

PHOTOGRAPH BY MINE TEKMAN/ALFRED-WEGENER INSTITUTE
PHOTOGRAPH BY MINE TEKMAN/ALFRED-WEGENER INSTITUTE

プラスティックによって海が汚染され、海洋生物が窒息させられているといった恐ろしいニュースが絶え間なく流される時代がやってきた。

いまやプラスティックの5mm未満の粒子が欧州の雪深いピレネー山脈まで漂っていく時代にあって、マイクロプラスティックの汚染から安全な場所などない。環境保護の最大の成功例のひとつとされるカルフォルニア州のモントレー湾も、その例外ではない。

そしていま、人類のプラスティックへの絶望的なまでの依存の報いが、新たに明らかになった。

研究者やアマチュア科学者たちが、このほどさまざまな場所から雪を採取した。採取地は遠く離れた北極の氷原(漂流する氷の塊)からノルウェーのスバールバル諸島、ドイツ北部、バイエルンアルプスまで、およそ24カ所にわたる。

その結果は衝撃的だった。最も高濃度だったバイエルンの雪では、マイクロプラスティック粒子が1リットルあたり15万個にも達した。北極の雪では、最も数値が高いサンプルで1リットルあたり14,000個と比較的少なく思えるが、その場所が地球の北の果てであることを考えると、さらに恐ろしい結果だといえよう。

雪とともにやってきたプラスティック

重要な問題となるのは、これらのマイクロプラスティックがいったいどこからやってきたのかである。研究者たちは正確な場所を特定できていないが、粒子は欧州の都市から風に吹かれてやってきたと推測している。

「大気中に舞う粒子を雪がかき集めて、そのまま地上へと降り下ろすのです」と、アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所の海洋生物学者であるメラニー・バーグマンは言う。バーグマンは『Science Advances』に掲載された新しい論文の筆頭著者でもある。

今回明らかになった事実には、“先例”もある。過去の研究によると、マイクロプラスティックとほぼ同じ大きさの花粉もまた、北の果てにある北極まで飛散するというのだ。

消えたプラスティックの行方

バーグマンとその同僚たちが発見したプラスティックの種類、特に大量のゴムやポリマーワニスは、その発生源についてのヒントになる可能性がある。「わたしたちは驚きました。どうやってワニスの粒子が大気中に飛散し、これほどまで北へとやってきたのでしょうか」と、バーグマンは言う。

例えば、船舶は汚損生物の付着を避けるためにワニスでコーティングされている。そこに由来するのであれば、雪のサンプルにではなく水から採取できそうなものだろう。「一方で陸上には多くのクルマが走っており、ポリマーを含むワニスで塗装されたものがあります。それに現代の多くの建物もワニスで塗装されています。実際かなり普及している物質だと言えるでしょう」

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