PR

WIRED WIRED

時速350km超! 二重反転式ローターの次世代ヘリコプター、その驚くべき実力が試験飛行で見えた

 米国のシコルスキー・エアクラフトが開発している次世代ヘリコプター「S-97 RAIDER(レイダー)」は、二重反転ローターと後ろ向きプロペラを組み合わせることで、従来のヘリの限界を超える時速350km以上のスピードと高い機動性を実現している。その驚くべき実力の一端が、試験飛行からも見えてきた。

TEXT BY ERIC ADAMS

TRANSLATION BY GALILEO

WIRED(US)

米国のヘリコプターメーカーであるシコルスキー・エアクラフトは、米陸軍の将来型偵察攻撃機(FARA)プログラムに基づき、現行の軽攻撃偵察ヘリコプターの後継機として、この独創的で高速な「S-97 RAIDER」を売り込もうとしている。PHOTOGRAPH BY ERIC ADAMS
米国のヘリコプターメーカーであるシコルスキー・エアクラフトは、米陸軍の将来型偵察攻撃機(FARA)プログラムに基づき、現行の軽攻撃偵察ヘリコプターの後継機として、この独創的で高速な「S-97 RAIDER」を売り込もうとしている。PHOTOGRAPH BY ERIC ADAMS

朝の7時だというのに、南フロリダの暑さと湿気に息が詰まりそうだ。メガネは曇るし、まるで皮膚にアイロンをかけられているような気分になる。滑走路のすぐそばにある濁った池に潜んでいるワニは、ひょっとするとベル・ヘリコプターから送り込まれたスパイかもしれない。国防総省の次世代垂直離着陸機の調達を巡る契約獲得において、ベルは米国のヘリコプターメーカーであるシコルスキー・エアクラフトにとって最大の競争相手なのだ。

シコルスキーの先進的な新型ヘリコプター「S-97 RAIDER(レイダー)」の試作機のテストは、うんざりするほど蒸し暑いウエストパームビーチにある同社の施設で実施された。ところが気候についての不満は、2,600馬力のタービンエンジンがうなりを上げて胴体の上にある二重反転ローターを勢いよく回し始めると、海風とともに吹き飛ばされてしまった。

S-97 RAIDERの特徴は2段重ね(同軸)のローターと、見慣れた横向きのテールローターの代わりに後ろ向きのプロペラを組み合わせた複合設計の採用にあると、シコルスキーは説明する。この構造は高速でありながら静かで、しかも機動性が高いという。

ロッキード・マーティン傘下のシコルスキーは、米陸軍の将来型偵察攻撃機(FARA)プログラムに基づき、現行の軽攻撃偵察ヘリコプターの後継機として、このS-97 RAIDERを売り込もうとしている。同じ基本レイアウトをもつ「SB-1 Defiant(デファイアント)」も、将来型垂直離着機(FVL)プログラムを通じてツインエンジンのヘリコプター「UH-60 ブラックホーク」の後継に名乗りを上げている。

実証されるべき課題

どちらの機体についても、設計には実証されるべき課題が多くある。例えば、パイロットに新たな技能の習得を求めないことや、比較的安価で信頼性が高く、メンテナンスが容易であることが挙げられる。そして最も重要な課題として、過去の機体や競合モデルより実戦において優れていることだ。軍事勢力圏の拡大に寄与する長い航続距離や、絶えず進化する“敵”の航空機に対抗する能力も求められる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ