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アマゾンの現場で起きる労働問題は、ロボットによる自動化だけでは解決しない

人間とロボットが共存する仕分けセンター

コロラド州にあるアマゾンのソーティング(仕分け)センターでのやり方を例にとろう。ここでは梱包済みの箱を届け先別に分類し、発送している。商品を箱詰めするフルフィルメントセンターとは別の施設だ。

建物の半分のエリアでは、創業時からの仕分けプロセスがいまだに行われている。コンベアーの終点に人が立ち、次々に落とされる重くかさばる箱を拾い上げては、行き先別に振り分けるというやり方だ。その先にはさらに別のコンベアーがあって、やはりその終点にいる人のところに次々と箱が落とされる。こうして最後に荷運び台に置かれた箱が、配送トラックに積み込まれるのだ。

新システムでは、高い場所に設けた巨大な荷送りマシンの前に人間の作業員が座っている。そして郵便番号別に仕分けされて落ちてくる箱を拾い上げてバーコードをスキャンし、小型ロボットの荷台に置く。するとロボットは託された箱を荷落とし口まで運び、下の階にある大型ケースへと落とす。つまり、仕分けと運搬の大部分をロボットが引き受けてくれるわけだ。

センターでのロボットの導入によって、人間の仕事がなくなったわけではない。A地点からB地点への移動といった、現時点で機械が得意とする部分をロボットが引き受けているのだ。積み重なった荷物のなかからひとつを選んで拾い上げるなど、人間ならではの細かい作業は、いまだに人の手で行われている。

問題解決という非常に人間的なスキルを要する仕事もそうだ。例えば、箱が破れて中身がこぼれてしまったら、その箱を脇に置いて対策を講じなければならない。こんな仕事をこなすには、ロボットはまだまだ未熟すぎる。

完全自動化は現時点では不可能

人間の作業員が商品を箱詰めするフルフィルメントセンターも事情は同じで、従業員たちがストライキを計画したミネソタ州のセンターもそうだ。

アマゾンが販売するさまざまな形状の品物を、既存のロボットアームやグリッパーでつかんで箱に納めようとしても、うまくいかない。人間は機転を利かせることができるが、機械は融通が利かない。こうして自動化が進むほどに、人間は新たな適応力を身につけることになる。実際にアマゾンは、このほど今後6年間で7億ドル(約755億円)の予算を投じ、従業員10万人の技術スキルの再教育に取り組むことを発表している。

受注から配送までのプロセスを完全に自動化することで、アマゾンは何らかのメリットを得られるのだろうか? もちろんメリットはあるだろう。しかし、完全自動化は不可能だ。機械がすべての作業を行うとしても、それを監督する人間が必要になるからである。

人間という光が必要な生き物がおらず、照明が消えた真っ暗闇で機械だけが黙々と働く倉庫--。そんな光景はアマゾンのソーティングセンターではあり得ない。なぜなら、そこで働くロボットたちは、監視カメラを通して制御されているからだ。

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