PR

WIRED WIRED

アマゾンの現場で起きる労働問題は、ロボットによる自動化だけでは解決しない

 年に一度のアマゾンの大セール「Amazonプライムデー」が開催された。世界中で大量の商品が売れるこの時期に合わせて、同社の物流センターなどで働く人たちの一部はストライキを決行するなど、労働条件の改善を求めて反発を強めている。だが実際のところ、ロボットだけの物流センターなど成立するのだろうか?

TEXT BY MATT SIMON

TRANSLATION BY MITSUKO SAEKI

WIRED(US)

PAUL HENNESSY/GETTY IMAGES
PAUL HENNESSY/GETTY IMAGES

年に1度の「Amazonプライムデー」では、割引商品がずらりと並ぶデジタル特売会場に買い物客が殺到する。人々が買い込んだ品々は、数日後には玄関先に届くだろう。資本主義のマジックを見せられた気分になるが、これは決してマジックではない。倉庫で商品を箱詰めする大勢の人々のなせる業なのだ。

しかし、なかには腹を立てながら働いている人たちもいる。ミネソタ州にあるアマゾンの倉庫で働く従業員たちは、労働条件の改善と割り当て作業量の削減を求めてストライキを考えていたのだ。ブルームバーグのニュースサイトに掲載された写真には、「われわれは人間だ。ロボットではない!」と書いた紙を掲げる従業員たちの姿が写っている。

人間による作業の重要性

ロボットの活用による自動化が進む時代を迎えたいま、不快感を伴うひとつの考えが浮かんでくる。人間がロボットのように働かされているのなら、いっそ働き手をロボットだけにすればいいのではないか? 全作業員を機械と交代させてしまえば、アマゾンは労働問題とおさらばできるのではないか?

だが、わたしたちがこんな問いを発するのは、人間ならではの賢さや応用力、手際のよさを軽んじ、ロボットがまだ不器用な働き手であることを忘れているからだ。

確かにアマゾンは効率アップを目指して、倉庫作業の自動化を進めている。だがアマゾンが実現しようとしているのは、人間とロボットによるハイブリッド型の新たな労働形態、つまり働く人たちが幸せでいられる働き方だ。人間の力は称賛に値する。いや、それ以上の褒め言葉に値する素晴らしい労働力なのである。

現状ではアマゾンの倉庫をはじめ、自動化された現場全般でロボットが担当するのは業務の一部分にすぎない。

「人間の担当部分がすぐになくなることはないでしょう」と、調査会社IDCのロボットサービス関連リサーチディレクターであるジョン・サンタゲートだ。「人間にできて、ロボットや自動制御の機械にできないことはたくさんあります。タスクを正しく見極めて自動化できることは機械に任せ、人間にはもっとやりがいのある仕事や、機械より人のほうが上手に素早くできる仕事を担当してもらうことが重要になります」

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ